2026年9月30日

五月人形

五月人形の職人のてしごと

小さくても凛々しい兜に、あどけない表情のお人形。

五月人形を見たとき、まず目に入るのは華やかな色合いや、力強く美しい姿かもしれません。

けれど、少し近くで眺めてみると、その小さな五月人形の中には、職人による細やかな手仕事がたくさん詰まっています。

お顔を描く人、お衣装を仕立てる人、兜や鎧をつくる人――。

今回は、普段はなかなか見ることのできない「五月人形の職人のてしごと」をご紹介します。

大将飾の職人のてしごと

かわいいお顔も、ひとつひとつ職人の手から

ふらここの大将飾の大きな魅力のひとつが、赤ちゃんのような愛らしいお顔です。

お顔には胡粉(ごふん)を塗り重ね、なめらかな肌に仕上げたあと、眉やまつ毛、髪の生え際などを細い筆で描いていきます。

さらに、きれいなガラス製の目を一体ずつ丁寧に入れ、表情のバランスを整えていきます。

ほんの少しの違いでも印象が変わる小さなお顔。

職人の繊細な手仕事によって、ふらここらしいやさしい表情が生まれています。

髪の毛や小さな耳まで、丁寧に

髪には絹糸を使い、一本一本植え込んで丁寧に結い上げます。

髪の流れやふくらみを整えながら、小さなお顔に似合うように仕上げていきます。

さらに、耳などの細かな造形にもこだわりが。

ぱっと見ただけでは気づきにくい部分まで丁寧につくられていることが、自然で愛らしい表情につながっています。

大将飾のお衣装は、ひとつずつ丁寧に木目込んで

大将飾の胴体には、木目込み人形の技法が使われています。

ふらここでは昔ながらの伝統技法を大切に守り、大量生産に適した発泡スチロールはいっさい使用せず、桐の粉を固めた「桐塑(とうそ)」の胴体に細い溝をつくり、そこへ布地の端をへらで少しずつ入れ込んでいきます。

しわやたるみが出ないように整えながら、美しい柄が正面に見えるよう仕上げるのも職人の腕の見せどころです。

小さなお人形だからこそ、細かな部分まで丁寧な作業が重ねられています。

兜飾の職人のてしごと

兜の印象を決める「鍬形」と「吹き返し」

兜の正面でひときわ目を引くのが「鍬形(くわがた)」です。

形や大きさ、彫金や透かし彫りなどによって、一つひとつ異なる表情が生まれます。

その横にある「吹き返し」にも、彫金や飾り金具などの細かな装飾がほどこされています。

力強い印象の兜ですが、近くで見ると驚くほど繊細。

細かな模様や金具の仕上げにも、ぜひ注目してみてください。

一本一本の糸でつくられる、美しい「縅」

そこには色鮮やかな「縅糸(おどしいと)」が使われ、金属の板を一つひとつ丁寧につづり合わせています。

何本もの糸が規則正しく並ぶ姿も、兜の美しさのひとつ。

正面だけでなく、横や後ろから眺めてみると、職人の細かな仕事をより感じていただけます。

細かな部品を組み合わせ、ひとつの兜へ

兜は、いくつもの細かな部品を組み合わせてつくられています。

鉢や吹き返し、しころ、鍬形などを一つずつ仕上げ、最後に全体のバランスを確認しながら組み上げていきます。

完成した姿だけを見ると気づきにくいものですが、その裏側には多くの工程と職人の手仕事が重なっています。

屏風や飾り台、小物までこだわり抜いて

五月人形の魅力を引き立てるのは、お人形や兜だけではありません。

背景を彩るお屏風や飾り台、弓太刀などの小物にも、職人の技が生かされています。

木を加工したり、和紙や布地を丁寧に貼ったり、絵柄を手仕事でほどこしたり。

お人形や兜と美しく調和するよう、色合いや素材、モチーフまで考えて仕上げられています。

五月人形を見るときには、ぜひそのまわりを彩るお屏風や小物にも目を向けてみてください。

職人のてしごとにも注目したい、おすすめの五月人形

ここからは、職人の細やかな手仕事にもぜひ注目していただきたい、ふらここの五月人形をご紹介します。

繊細な兜の細工を楽しめる「白群に菖蒲鯉の兜」

白群に菖蒲鯉の兜

爽やかな白群色を基調にした、やさしい印象の兜飾です。

鍬形や吹き返しの細かな装飾、縅糸の美しさなど、近くで見るほど職人の手仕事を感じられます。

お屏風にも職人の技が生かされており、兜だけでなくお飾り全体を楽しめる一品です。

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愛らしいお顔と木目込みの技を楽しめる大将飾

商品名:暖

にっこりした笑顔が愛らしく、丁寧に木目込まれたお衣装が魅力の大将飾です。

“思いやり”の花言葉を持つ、ポピー柄のお衣装を着て、“無病息災”の願いが込められたくす玉を周りに配っている、そんな心優しい男の子をイメージしました。

かわいらしい姿の中に込められた職人の手仕事を、ぜひ近くでご覧ください。

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小さな五月人形に込められた、大きな手仕事

お顔を描く人。
髪を結う人。
お衣装を木目込む人。
兜や金具をつくる人。
お屏風や飾り台を仕上げる人。

一つの五月人形が完成するまでには、たくさんの職人の手が関わっています。

ぱっと見たときの「かわいい」「かっこいい」という印象の、その少し先へ。

近くでじっくり眺めてみると、小さな部分にまで込められた職人の仕事や、素材の美しさを見つけることができます。

端午の節句から、その先も毎年飾る五月人形。

お子さまの健やかな成長を願う大切なお飾りだからこそ、その背景にある「てしごと」にも目を向けていただけたら嬉しいです。

ふらここでは、かわいらしい大将飾から、細部まで美しく仕上げた兜飾・鎧飾まで、さまざまな五月人形をご用意しています。

ぜひ、ご家族にぴったりの五月人形を見つけてくださいね。

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この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋