投稿日:2020年10月27日 更新日:2023年8月1日

雛人形 付属品

雛人形の付属品(雛道具)について知ろう

雛人形を購入する時はついお人形に目がいきがちですが、華やかな雛祭りを演出したいなら、付属品(雛道具)にも注目してみましょう。セット商品を購入すると屏風や雪洞、花飾りなどお馴染みの付属品が付いてきますが、その柄や色合い、込められた意味に注目することで 、お子様の大事な雛祭りがよりいっそう思い入れ 深いものになります。この記事では、雛人形の主な付属品(雛道具)の名前や役割、意味などについてご紹介します。

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雛人形を彩るさまざまな雛道具をご紹介

雛飾りの主役は雛人形ですが、雛人形を彩るさまざまな付属品(雛道具)を一緒に飾ることで、より華やかに雛祭りをお祝いすることができます。

もともと雛飾りは、貴族の結婚式を模して 作られたものです。そのため、付属品(雛道具)の多くは、そのお祝いの席にあった飾りや料理、嫁入り道具などを表しています。見た目が華やかになるのはもちろん、それぞれに意味や役割があるので、付属品(雛道具)の事も良く知っておくと購入の際に参考になるでしょう。

これより先で主な付属品(雛道具)についてご紹介しますので、これから雛人形を一式揃えようとお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

これを押さえておけば大丈夫!雛人形の主な付属品

では具体的に、どのような付属品(雛道具)があるのか、嫁入り道具とそれ以外の道具に分けて、1つずつご紹介します。

基本的なお道具

・屏風(びょうぶ)
男雛と女雛の後ろに飾られる調度品で、金色のものだけでなく木や漆器で作られているものもあります。「中を6つに間仕切る」→「仲むつまじく」という語呂合わせから、6つ折りになっているものが多いのも特徴です。美しい模様や風景が描かれているものも多く、華やかさを演出してくれます。

・玉台(たまだい )
玉台は男雛と女雛が座る台で、一般的には畳が乗っています。最近では雛人形のバリエーションに合わせ、朱色や白、ピンク色のものや、ナチュラルなセット商品に合う木製のものなど、さまざまな玉台が出てきています。

・雪洞(ぼんぼり)
木や竹の枠に和紙を張り、火をともす部分をおおった小型の照明道具です。一部分のみ開けてあとは火の周りをおおうことで、火持ちをよくする効果がありました。現在では、火の部分が電球になっており、明かりがともせるタイプのものもあります。

・燭台(しょくだい)
ろうそくを立てる台で、火をともす部分に風よけの紙が巻かれていることがあります。ぼんぼりはこの燭台が徐々に進化したもので、この覆う部分に木や竹の枠がついています。

・桜橘(さくらたちばな) 
桜と橘の造花のことで、京都御所に植えられていた「左近の桜」「右近の橘」をかたどったものだといわれています。桜も橘も魔除けの効果があるとされており、飾る時は、向かって右手に桜、左手に橘を飾ります。
 
ふらここ用語集:桜橘
https://www.furacoco.co.jp/yougo/list/112.html

・紅白梅(こうはくばい)  
紅梅と白梅の造花のことで、桃の節句の時期にふさわしい縁起の良い花だといわれています。こちらは向かって右手に紅梅、左手に白梅を飾ります。

・菱高三方揃い(ひしだかさんぽうそろい) 
3色のお餅を乗せる菱台(ひしだい)と、丸いお餅や和菓子を乗せる高坏(たかつき)、口花をさした瓶子(へいし)をのせる三方(さんぽう)の、3つ組合せのことです。

ふらここ用語集:菱高三方揃い
https://www.furacoco.co.jp/yougo/list/137.html

・行器(ほかい)
儀礼の際に食べ物を運ぶために使われていた食器で、縦長の筒状の容器に外ぞりの脚がついています。草餅などをいれて運んでいたといわれ、雛人形の前飾りとして使われています。
  
ふらここ用語集:行器
https://www.furacoco.co.jp/yougo/list/143.html

嫁入り道具

・箪笥(たんす)
衣服をしまう家具です。豊かさを象徴する嫁入り道具として古くから親しまれており、当時は服に関する小道具がしまわれていることもありました。現代ではクローゼットが普及しているためあまり見なくなりましたが、代表的な嫁入り道具のひとつです。

・長持(ながもち)
外出時にも使われる衣服・寝具用の収納箱です。形は長方形で、寝具の大型化に合わせて人が入れるほどの大きさがあります。外出時に2人以上で担げるよう、箱の両側には吊り金具がついています。こちらも嫁入り道具ですが、明治・大正時代以降はだんだんと箪笥にその役割を譲っていきました。

・鏡針揃(きょうはりぞろい)
現代の裁縫箱のように報歳道具一式が入っている「針箱」と、現代の化粧台のように鏡と台が一体化している「鏡台」の、2点セットのことを指します。 

・火鉢(ひばち)
鉢の灰の中に炭を入れることで、暖を取ったりお湯を沸かしたりと、さまざまな用途に使われていた嫁入り道具です。現代でいうストーブのような役割を果たしていました。四角形で4本の猫足がついている火鉢はより正式な道具で、「台火鉢」と呼ばれています。

・台子(だいす)
茶道具一式を乗せておく移動式の棚です。正式な茶の湯に古くから用いられています。嫁入り道具の一つです。

ふらここ用語集:台子
https://www.furacoco.co.jp/yougo/list/127.html

・重箱(じゅうばこ)
おせちなどでよく見られる、食べ物を入れる容器です。四角く何重にも重ねることができ、嫁入り道具として用意されました。

・御駕籠(おかご)
大名や貴族の女性を運ぶために使われた乗り物です。座る「かご」の部分を棒で吊るし、その棒を2人以上で担いで人を運びました。嫁ぎ先へ担ぎ入れるための「お輿(こし)入れ道具」ともいわれています。

・牛車(ぎっしゃ)
牛に引かせる乗り物で、御所車(ごしょぐるま)や源氏車とも呼ばれています。貴族が乗るためのもので、富や華やかさの象徴とされています。

その他の道具

・毛氈(もうせん)
雛人形の下や段飾りの代の上に敷く、フェルト状の赤い布です。動物の毛に圧力をかけて作った織物のような布で、雛人形を飾る時は赤い「緋毛氈」、五月人形を飾る時は緑色の毛氈を使う風習があります。

ふらここ用語集:毛氈 
https://www.furacoco.co.jp/yougo/list/85.html

・掛盤膳(かけばんぜん)
平椀(おひら)・汁椀(しるわん)・腰高(こしだか)・壷椀(おつぼ)・飯椀(めしわん)など、多くの椀を置いた高級なお膳の型です。

このように、雛人形の付属品(雛道具)にはかなりの種類があります。また、この他にも非常にたくさんの付属品(雛道具)があるので、興味のある方はぜひふらここの「用語集」もご覧になってはいかがでしょうか。

ふらここ用語集はこちら↓
https://www.furacoco.co.jp/yougo/

付属品(雛道具)を知れば、雛人形選びがもっと楽しく!

雛飾りは、貴族の結婚式をイメージしたものであるため、その付属品(雛道具)も嫁入り道具などを模した華やかなものが多くあります。また、それぞれに縁起や意味があるため、事前に知っておくと雛人形を選ぶ際の参考になります。お子様の大事な雛祭りをより華やかで素敵なものにするためにも、雛人形を購入する際はぜひこの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋