2020年5月22日

五月人形

感謝の気持ちを伝えよう!役目を終えた五月人形を供養する方法3選

お子さまが大きくなると、五月人形も飾らなくなり「どう処分しよう」と悩まれる人もいるのではないでしょうか。しまうスペースの事を考えると、ずっとしまい続けているのも考えものですよね。とはいえ、五月人形を捨ててしまっていいものなのかは、判断がつきづらいところです。そこでおすすめの手段のひとつとして、「五月人形を供養してもらう」という方法があります。この記事では、役目を終えた五月人形はどうすればいいのか、供養する時の目的や方法はどのようなものか、などについてご紹介します。

 

五月人形は「お守り」に近い?供養して感謝の気持ちを伝えよう

端午の節句(子どもの日)に飾る五月人形は、「男の子が元気で健やかに成長しますように」と願いを込めて飾るものです。お子さんの身代わりになり、病気やけがなどの災い(厄)を代わりに引き受けてくれる大事な役目を果たしてくれます。そうしたことからも、役目が終わったからといってただ捨てるのは忍びないですよね。

身近な例として、「お守り」に置き換えて考えてみるとどう処分すれば良いか分かりやすくなります。お守りはその役目を終えた後、感謝の念を込めて寺社に持って行き、お焚き上げをしてもらうことが多いですよね。身代わりとしてお子さんを守ってくれる五月人形も同じように、感謝の気持ちを込めて供養してもらうのがおすすめです。

また、五月人形には「厄を引き受ける」「身代わりになる」という意味合いがあり、「わが子が健やかに成長しますように、幸せな人生になりますように」といったご家族の祈りや願いを込めて飾るものであることからも、ご兄弟で共有するのではなく、次男・三男にもひとつずつ用意することが望ましいといえるでしょう。

>参考:五月人形は兄弟ひとりにひとつずつがおすすめ!飾り方やふらここの人気商品をご紹介

五月人形の供養の目的は「尊敬や感謝の念を示すこと」

一般的に「供養」とは、お供えものを捧げることで仏や菩薩などに対して尊敬や感謝の念を示すことや、亡くなった人などにお供えものをしたりお経を読んだりすることで冥福を祈ることをいいます。

五月人形の供養の場合は、「子どもの厄災を引き受けてくれてありがとう」という感謝の気持ちを伝えることが目的です。したがって、五月人形を供養する時期は、子どもが一定の年齢に達した頃(成人した後など)が良いでしょう。

「毎年子どもの成長を見守ってくれた五月人形には思い出がこもっていて、処分しづらい」という人もいるかもしれません。その場合でも、お人形にしっかりと感謝の気持ちを伝えられる供養を行うことが、安心して処分できる方法といえるのではないでしょうか。

自宅や送付でもできる!五月人形の供養方法3選

供養を行う前に、その方法について知っておきましょう。供養には「神社やお寺で行う場合」「日本人形協会に依頼する場合」「自宅で行う場合」の3パターンがあります。

1:神社やお寺で行う場合

神社やお寺に依頼し、供養してもらう方法です。全ての寺社で行っているわけではないので、事前に供養を行っているかHP等で確認してから依頼しましょう。

費用は、五月人形の大きさや供養の方法(特別な供養など)でも値段が変わってきます。特に供養料が設定されていない場合もありますが、基本的には5,000~15,000円程度を用意しておくと良いでしょう。

供養の依頼方法は、大きく分けて「持ち込み」と「送付」の2種類です。受付時間内に寺社に直接五月人形を持ち込むか、宅急便等で寺社に送ります。特にどちらでなければいけないということはないので、状況に応じて便利な方法を使うとよいでしょう。ただし、どちらの場合も事前連絡が必要ですので、手順をしっかりと確認しておきましょう。五月人形が寺社に届いたら、あとはお坊さんや宮司さんが読経やお焚き上げをして、供養してくれます。

送付やお焚き上げの関係で、ガラスケースに入った五月人形は追加料金がプラスされたり受け付けてもらえない場合も多いので、注意が必要です。お焚き上げの際に残ってしまわないよう、金属などの燃えないパーツは事前に外して依頼するとより安心です。

それでは次に、人形供養を通年で受け付けている神社・お寺をご紹介します。

【人形供養で有名な寺社】

・祐徳稲荷神社

日本三大稲荷の一つに数えられる祐徳稲荷神社では、通年で人形供養(「神社のお焚き上げ」サービス)を受け付けており、「お焚き上げキット」を購入し、神社に人形を送るだけで人形供養をしてもらうことができます。全国どこからでも利用することができて、送料も全て神社が負担してくれるので、安心して供養を依頼できます。

また、多くの神社・お寺では不燃物を受け付けてもらえないことがほとんどですが、「神社のお焚き上げ」サービスでは、不燃物も受け付けてもらえるので、分別の手間なくまとめて送れるのも嬉しいポイントです。

〉〉「神社のお焚き上げ」サービスのご利用はこちらから

・長福寿寺

持ち主の「感謝の気持ち」をしっかりお人形に伝えることを大事にしている寺院です。3ヶ月もの間、真心込めて読経供養され、「日本唯一の人形専用の火葬炉」でお焚き上げをしてくれます。丁寧で心のこもった供養が人気のようで、HPには利用者からの手紙も掲載されています。持ち込み・送付のいずれも対応可能です。

住所:〒297-0121 千葉県長生郡長南町長南969
電話番号:0475-46-1837
供養料:10,000円(一式)
    ※七段飾りは20,000円
HP:https://ningyoukuyou.jp/

2:一般社団法人 日本人形協会に依頼する場合

一般社団法人 日本人形協会は、日本の伝統的な工芸品や産業の振興を目指して活動している団体です。活動の一環として、五月人形を含むさまざまなお人形の供養を行っています。

費用は5,000円程度で、その他に送付する際のゆうパック料金がかかります。電話かWebサイトから申し込むと、「ひとがた札」「お人形送り専用ラベル」等が入った「お人形差出キット」を送付してくれます。箱だけ用意して梱包・送付し、付属の振込票で代金を支払えば手続きは終了です。送料は集荷の際に、供養料は1週間以内に郵便局で支払います。お人形は毎年10月頃に行われる東京大神宮の「人形感謝祭」で供養され、11月初旬頃に供養済のお知らせが届きます。

キットの通りに梱包すればよく、郵便局に連絡すると自宅まで集荷しに来てくれるので、忙しい方にもおすすめです。

・一般社団法人 日本人形協会

住所:〒111-0052  東京都台東区柳橋2-1-9 東京卸商センター内
電話番号:0120-25-5942
供養料:5,000円(1箱)+ゆうパック料金(自己負担)
HP:https://www.ningyo-kyokai.or.jp/kuyou/

3:自宅で行う場合

自宅で供養する場合は、可燃ごみまたは粗大ごみとして処分することになります。処分の際は、供養の意味で「これまで子どもを守ってくれたことへの感謝」を心の中で伝えつつ、行うとよいでしょう。

より丁寧に供養したい場合は、白い和紙に五月人形を乗せて上からお清めの塩を振り、感謝の気持ちを持ってお見送りするのがおすすめです。また、下記のような供養キットを利用する方法もあります。

五月人形をいつどのように処分すればよいのか、可燃ごみ・粗大ごみのどちらにあたるのかは、お住まいの自治体によって異なります。事前にHPなどで確認しておきましょう。可燃ごみとして処分する場合は、金属などの不燃パーツは外して分別する必要があります。

【自宅供養向けのキットを扱う寺社】

・結城諏訪神社

自宅で供養をするために作られた「もの供養キット」は、人形はもちろん大きくて郵送できないものの供養も可能です。

費用は1体5,000円で、電話かWebサイトから申し込み代金を振り込むと、形代(かたしろ)・絵馬・清め塩等の入った「もの供養キット」が送られてきます。キットに沿って自宅で供養を行い、形代や絵馬などを返送すると、それらを神社で供養・お焚き上げしてくれます。

五月人形は送付しないので自宅で処分することになりますが、神社側でも供養してくれるので、「人形は送れないけれどしっかり供養したい」という方におすすめです。

住所:〒307-0021 茨城県結城市上山川161
電話番号:0296-35-6007
供養料:5,000円(1体)、2体以上は1体につき1,000円追加
HP:http://www.suwa-jinja.jp/monokito

立派に役目を果たしてくれた五月人形には、ぜひ感謝の供養を

五月人形を処分する際は、今までお子さんの身代わりになってくれたことに感謝する意味でも、供養してもらうのがおすすめです。供養には尊敬や感謝の念を示す意味合いがあり、「今まで子どもを守ってくれてありがとう」という気持ちをお人形に伝えつつ処分することができます。供養の方法には「神社やお寺で行う場合」「一般社団法人 日本人形協会に依頼する場合」「自宅で行う場合」の3パターンがあり、どのパターンで供養をしても問題ありません。お子さんの成長を見守ってくれた五月人形には、ぜひ感謝の気持ちが伝わる供養をしてあげましょう。

※ご紹介した施設・サービス等の情報は2024年11月時点のものです。詳細は各公式HPをご確認ください。


この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋