立雛とは?コンパクトでおしゃれな雛人形の特徴と選び方

雛人形といえば、座った姿の「親王飾」を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど近年、コンパクトでおしゃれな雛人形として改めて注目を集めているのが「立雛(たちびな)」です。

立った姿の凛とした佇まいは、シンプルでありながら格式高く、現代の住まいにも自然に馴染みます。この記事では、立雛の歴史や魅力、座り雛との違い、選び方のポイントまで詳しくご紹介します。

立雛とは?雛人形の原点となる立ち姿の雛人形

立雛とは、男雛と女雛が立った姿で飾られる雛人形のことです。一般的な座り姿の親王飾に対して、すっと立つ姿が特徴です。

雛人形の歴史を遡ると、その原点は平安時代に行われていた「流し雛」にあるといわれています。紙や草で作った人形を川や海に流し、厄災を祓う風習です。『源氏物語』須磨の巻にも、人形を海に流す場面が描かれています。

当時の人形は立ち姿をしており、これが立雛のルーツとされています。

江戸時代初期までは立雛が主流でしたが、江戸中期以降になると、内裏の生活を模した座り雛が広まりました。しかし近年、住宅事情の変化やインテリア志向の高まりにより、コンパクトで洗練された立雛が再び選ばれるようになっています。

立ち姿だからこそ、衣装の流れるようなラインが際立ちます。シンプルでありながら格式高い、まさに雛人形の原点ともいえる存在です。

立雛の5つの魅力

【魅力1:コンパクトで飾りやすい】

立雛は、基本的に男雛・女雛の2体構成。段飾りのように何段もスペースを必要としないため、非常にコンパクトです。

横幅30〜40cm程度の商品が多く、

・リビングのチェストの上
・サイドボード
・テレビボードの一角

・玄関の飾り棚
・カウンターキッチンの上

など、限られたスペースにもすっきりと収まります。

近年はマンションやアパート住まいのご家庭が増え、「飾る場所がないから雛人形を諦める」という声も少なくありません。立雛なら、圧迫感なく空間に溶け込み、日常のインテリアを邪魔しません。

大きな段飾りを出すのは難しくても、コンパクトな立雛なら“季節を迎える喜び”を無理なく暮らしに取り入れられます。

【魅力2:飾り付けと片付けが簡単】

立雛はシンプルな構成のため、飾り付けも非常にスムーズです。

段飾りのように人形やお道具の配置を細かく考える必要はなく、基本的には台の上に人形を並べるだけ。
慣れれば5〜10分ほどで飾り終えることができます。

小さなお子さまがいるご家庭や、共働きで忙しいご家庭でも、「今年も出そうかな」と気軽に思える負担の少なさが魅力です。

片付けも同様に簡単で、収納箱もコンパクト。
クローゼットや押し入れの一角に収まり、収納スペースを圧迫しません。

“出すのが大変”という理由で飾らなくなってしまうことがない。
それは、毎年きちんとお祝いできるという安心感にもつながります。

【魅力3:衣装の美しさが際立つ】

立雛最大の魅力は、立ち姿だからこそ引き立つ衣装の美しさです。

裾の広がり、重なり合う布の陰影、縦に流れるライン。
立体的に仕立てられた衣装が、自然なシルエットで映えます。

座り雛では見えにくい背中側の衣装や後ろ姿まで鑑賞できるのも、立雛ならでは。
360度どこから見ても美しい仕上がりは、職人の技術の高さを感じさせます。

特に木目込みタイプの立雛は、布の柄がすっきりと際立ち、コンパクトでありながら上品な印象を与えます。

「衣装そのものを楽しみたい」という方にとって、立雛は非常に魅力的な選択肢です。

【魅力4:シンプルでおしゃれ】

余計な装飾を抑えた立雛は、ミニマルで洗練された印象を持っています。

豪華絢爛な段飾りとはまた違う、すっきりとした美しさ。
そのため、

・北欧風インテリア
・ナチュラルテイスト
・モダンリビング
・シンプルな白壁空間

など、現代の住まいに自然に調和します。

洋室に飾っても違和感がなく、「和」の行事でありながら日常空間に溶け込む存在になります。

近年では「インテリアとして楽しめる雛人形」を求める方も増えており、大人の女性の“マイ雛人形”として選ばれるケースも少なくありません。

一年中飾りたくなるようなデザイン性の高さも、立雛の大きな魅力です。

【魅力5:格式高い伝統的な形式】

立雛は、雛人形の中で最も古い形式といわれています。
平安時代の流し雛をルーツとし、天皇・皇后の立ち姿を象徴する存在です。

シンプルでありながら、実は非常に由緒ある形式。
決して「簡易的」な雛人形ではありません。

そのため、

・伝統を大切にしたいご家庭
・祖父母世代にもきちんと説明したい場合

にも安心して選んでいただけます。

見た目はコンパクトでも、歴史や意味はしっかりと受け継いでいる。
それが立雛の奥深さです。

ふらここの立雛一覧

立雛と座り雛の違い

雛人形を選ぶ際に、多くの方が迷うのが「立雛」と「座り雛(親王飾り)」の違いです。

どちらも男雛と女雛の二体で構成されることが一般的ですが、その姿や歴史的背景、空間に与える印象は大きく異なります。

【立雛】

立雛は、男雛・女雛が立った姿で飾られる形式です。

雛人形の中でも最も古い形とされ、平安時代の流し雛をルーツに持つ、由緒あるスタイルです。

立ち姿であることから、衣装の縦のラインが強調され、裾の広がりや重なりの美しさが際立ちます。

後ろ姿まで鑑賞できるため、衣装の仕立てや柄の見え方を立体的に楽しめるのも特徴です。

また、構成がシンプルなためコンパクトな商品が多く、現代の住まいに取り入れやすい点も魅力。

ミニマルで洗練された印象があり、洋室やモダンなインテリアにも自然に馴染みます。

「すっきりと美しく飾りたい」「限られたスペースでもきちんとお祝いしたい」という方に選ばれている形式です。

【座り雛】

座り雛は、男雛・女雛が座った姿で飾られる形式です。

さらに、三人官女・五人囃子・随身・仕丁といったさまざまな役職のお人形が加わる段飾りへと発展したのも、この座り雛の系統です。

これらは内裏(宮中)の生活を模した世界観が特徴で、華やかで格式高い雰囲気を持ちます。江戸時代中期以降に広まり、現在私たちが思い描く「伝統的な雛人形」のイメージを形づくってきました。

豪華な屏風や飾り台、雪洞(ぼんぼり)、お道具類などが組み合わさることで、宮廷の雅やかな空間が再現されます。

段数が増えるほど世界観は豊かになり、見応えのある華やかさが生まれます。

座った姿は重心が低く安定感があり、正面から見たときの重厚感や存在感が際立ちます。

王道の雛人形らしさ、華やかな宮廷文化の表現を楽しみたい方に選ばれているスタイルです。

「王道の雛人形を飾りたい」「華やかさや存在感を大切にしたい」というご家庭に人気があります。

【どちらを選ぶ?】

立雛と座り雛は、どちらが優れているというものではありません。
大切なのは、ご家庭の暮らし方や価値観に合っているかどうかです。

限られたスペースでもすっきりと飾りたい、準備や片付けの負担をできるだけ軽くしたいという場合は、コンパクトで飾りやすい立雛が適しています。現代のマンションやアパートにも馴染みやすく、気軽に毎年飾れる点が魅力です。

一方で、平安時代の宮廷文化を思わせる華やかな世界観を楽しみたい、ひな祭りらしい豪華な雰囲気を大切にしたいという場合は、座り雛がおすすめです。屏風や雪洞、お道具が揃うことで、より格式ある空間を演出できます。

どちらもお子さまの健やかな成長を願う気持ちは同じです。意味や格式に優劣はありません。

毎年無理なく飾れるか、見ていて心が温まるか。そんな視点で選ぶことが、後悔しない雛人形選びにつながります。

ご家庭の暮らし方や価値観に合わせて選びましょう。

立雛の種類|衣装着と木目込みの違い

【衣装着タイプ】

実際に仕立てた着物を人形に着せ付けて仕上げるタイプです。

■ 特徴

・本物の着物と同じように布を重ねて仕立てている
・裾や袖に自然な広がりが生まれる
・生地の質感や光沢を立体的に楽しめる
・豪華で華やかな印象

立雛との相性が特に良い理由は、立ち姿だからこそ衣装の流れるラインが最大限に美しく見えるからです。

裾の広がり、重なりの陰影、背中に落ちる布のラインなど、360度どこから見ても美しいシルエットを楽しめます。座り雛では見えにくい後ろ姿まで鑑賞できるのも、立雛×衣装着ならではの魅力です。

また、西陣織などの上質な織物を使用したものも多く、金糸や銀糸の繊細な輝きが上品に映えます。

「衣装の美しさを楽しみたい」「華やかさも大切にしたい」という方におすすめのタイプです。

【木目込みタイプ】

木製の胴体に溝を彫り、その溝に布を埋め込んで作る伝統技法です。

■ 特徴

・丸みのあるやさしいフォルム
・全体的にすっきりした印象
・コンパクトサイズが多い
・軽量で扱いやすい

木目込み人形は、布を貼り込む製法のため衣装の広がりは控えめ。その分、全体がコンパクトにまとまり、ミニマルでかわいらしい印象になります。

小さなスペースに飾りたい場合や、よりシンプルな雰囲気を好む方に人気があります。

一方で、衣装の“流れるライン”を強調する立雛の場合は、衣装着タイプの方がより立体的な美しさが際立つ傾向があります。

【ふらここの立雛】

ふらここの立雛は、木目込みタイプを中心にお作りしています。

■ 丸みのあるやさしいフォルム

木目込みならではの、ころんとした丸みのあるシルエット。
立ち姿でありながら、どこか愛らしく、やわらかな印象を与えます。

布を溝に丁寧に埋め込むことで、衣装の柄がすっきりと美しく見え、全体に上品で清潔感のある仕上がりになります。立雛の凛とした佇まいと、木目込みのやさしさが調和したデザインが特徴です。

■ コンパクトで飾りやすい設計

木目込みの立雛は、衣装の広がりが控えめなため、よりコンパクトなサイズ感を実現できます。

横幅30cm前後のモデルも多く、

・リビングのチェストの上
・サイドボード
・玄関の飾り棚

など、限られたスペースにもすっきりと収まります。

マンションやアパート住まいのご家庭でも、圧迫感なく春の行事を楽しんでいただけます。

■ 赤ちゃん顔のやわらかな表情

ふらここの特徴でもある、やさしい「赤ちゃん顔」。

立ち姿でありながら、決して威圧感がなく、どこかほっとするような表情に仕上げています。
格式を大切にしながらも、現代の住まいに自然に溶け込む雰囲気を大切にしています。

凛とした立雛の伝統美と、木目込みの柔らかさ。
その両方を感じられるのが、ふらここの立雛です。

■ 上質な生地と丁寧な仕立て

木目込みは、布の選び方や貼り込みの精度で仕上がりが大きく変わります。

ふらここの立雛は、色味や柄の出方にこだわり、現代のインテリアに合うやさしい色調を中心に展開。
伝統的な吉祥文様から、可憐な花柄まで幅広く取り揃えています。

溝への布の納まり、柄合わせの美しさ、全体のバランス――
細部まで丁寧に仕上げることで、コンパクトでありながら上質な存在感を実現しています。

■ コンパクトでも本格派

「小さい=簡易的」ではありません。

立雛は雛人形の原点ともいえる格式ある形式。
その伝統を大切にしながら、現代の暮らしに寄り添うサイズとデザインに仕上げています。

収納も最小限で済み、毎年無理なく飾れる。
それでいて、飾った瞬間に空間がぱっと華やぐ。

それが、ふらここの木目込み立雛の魅力です。

立雛が選ばれる理由|こんな方におすすめ

■ マンション・アパート住まいの方

近年の住まいは、和室のない間取りも増え、収納スペースも限られています。

「雛人形を飾りたいけれど、置く場所がない」
「段飾りは大きすぎて現実的ではない」

そんな声に応えてくれるのが、コンパクトな立雛です。

横幅30〜40cm前後のサイズなら、

・リビングのサイドボード
・テレビ台の一角
・玄関の飾り棚
・カウンターの上

など、日常空間の一部に自然に収まります。

圧迫感がなく、普段のインテリアの雰囲気を壊さない。
それでいて、季節の節目をきちんと感じられる。

「大きなものは無理だけれど、行事は大切にしたい」
そんなご家庭に、立雛はぴったりです。

関連:「雛人形の「平飾り」とは?コンパクトでおしゃれな親王飾りの魅力と選び方」

■ 忙しい共働き家庭

共働きで毎日忙しいご家庭にとって、「準備が大変」は大きなハードルです。

段飾りの場合、

・箱が複数ある
・お道具の配置が細かい
・飾るのに時間がかかる

という負担があります。

一方、立雛は基本的に2体構成。
飾り付けは数分で完了し、片付けもスムーズです。

「今年もちゃんと出せたね」
その積み重ねが、家族の思い出になります。

無理なく毎年続けられること。
それが立雛の大きな価値です。

■ シンプル・モダンなインテリアが好きな方

北欧テイストやナチュラルインテリア、白を基調とした空間など、現代の住まいはシンプル志向が主流です。

豪華絢爛な段飾りは素敵ですが、「今の部屋に合うか不安」という方も少なくありません。

立雛は装飾が控えめで、縦のラインが美しいため、空間をすっきり見せてくれます。

・木目の家具
・アイアン脚の棚
・白壁のリビング

にも自然に調和します。

“雛人形を置く”というより、 “春のアートピースを飾る”ような感覚で楽しめる。
インテリア性を重視する方に選ばれている理由です。

■ 次女・三女用の雛人形を探している方

長女には段飾りや親王飾りを用意している場合、
「次女にも用意してあげたいけれど、スペースが…」という悩みをよく耳にします。

立雛はコンパクトなため、姉妹それぞれに用意しても圧迫感がありません。

・姉妹でデザインを変えて並べる
・色味を揃えて統一感を出す
・それぞれの個性に合わせて選ぶ

など、選び方の楽しみも広がります。

雛人形は“その子の健やかな成長を願うもの”。
サイズが違っても、想いの重さは同じです。

立雛は、姉妹それぞれに贈る雛人形としても人気を集めています。

■ 大人の「マイ雛人形」として

最近増えているのが、「自分のための雛人形」として立雛を選ぶ方です。

・子どもの頃に雛人形を持っていなかった
・実家の雛人形を手放した
・大人になって改めて伝統行事を楽しみたい

そんな想いから、コンパクトな立雛を迎えるケースが増えています。

シンプルで洗練されたデザインは、季節のインテリアとしても楽しめます。

桃の花を一輪添え、春を迎える準備をする。子どものためだけでなく、自分の人生を祝う雛人形としても選ばれているのが、立雛です。

立雛の飾り方とインテリアコーディネート

立雛はコンパクトでシンプルだからこそ、飾る場所や演出によって印象が大きく変わります。
「どこにどう飾るか」で、より美しく、より自分らしく楽しめます。

リビングに溶け込ませる

もっとも人気なのが、家族が集まるリビングに飾るスタイルです。

・テレビボードの上
・サイドボードの中央
・チェストの一角
・壁面の飾り棚

家具の色味と飾り台の色を揃えると、空間に自然な統一感が生まれます。

例えば、
ナチュラルな木目の家具には白木調の台座を。
ダークブラウンの家具には落ち着いた色味の台を。

立雛は縦のラインが美しいため、横長の家具の上に置くとバランスが取りやすく、空間がすっきり見えます。

「特別な場所」ではなく、日常の延長線上に飾る。
それが、現代の立雛の楽しみ方です。

玄関に飾る

玄関は、春を最初に感じてもらえる場所。

・下駄箱の上
・シューズクロークの棚
・ニッチスペース
・コンソールテーブル

コンパクトな立雛なら、玄関にも無理なく飾れます。

来客があったときに
「もうすぐひな祭りですね」と会話が生まれる。
そんなさりげない季節感を演出できます。

ただし、直射日光や湿気が強い場所は避けるようにしましょう。
風通しのよい、安定した場所がおすすめです。

季節の花と合わせる

立雛の凛とした縦のラインは、花との相性も抜群です。

・桃の花
・菜の花
・チューリップ
・スイートピー
・ミモザ

一輪挿しでそっと添えるだけで、ぐっと春らしい空間になります。

衣装の色味に合わせて花を選ぶのもおすすめです。
ピンク系の衣装なら桃やチューリップ、
やさしい黄色なら菜の花やミモザ。

花の高さと立雛の高さのバランスを揃えると、より美しくまとまります。

「雛人形+季節の花」
それだけで、春のインテリアが完成します。

 照明で演出する

立雛は“立ち姿”が魅力。
光の当て方で、印象が大きく変わります。

・自然光がやわらかく入る窓辺
・間接照明の近く
・スポットライトを軽く当てる

横から光を当てると、衣装の重なりに陰影が生まれ、立体感が際立ちます。

夜は、あえて強い光を当てすぎず、やわらかな間接照明で包み込むように。
静かな美しさが引き立ちます。

照明は「見せる」だけでなく、「雰囲気をつくる」要素。
立雛は、光とともに楽しむ雛人形でもあります。

関連:「雛人形を飾る場所はどこがいい?風水的におすすめの方角やタブーな場所もチェック」

立雛の選び方|5つのチェックポイント

立雛はシンプルな構成だからこそ、一つひとつの要素が全体の印象を大きく左右します。
長く飾るものだからこそ、次の5つのポイントを意識して選びましょう。

■ お顔の表情

雛人形の第一印象を決めるのが「お顔」です。

・やさしく微笑む表情
・凛とした気品あるお顔
・赤ちゃんのように愛らしい表情

同じ立雛でも、表情によって雰囲気は大きく変わります。

毎年飾るものだからこそ、「見ていて心がほっとするか」「長く好きでいられそうか」を大切にしましょう。

写真だけでなく、できれば角度違いの画像も確認するのがおすすめです。
真正面だけでなく、斜めから見たときの印象もチェックすると安心です。

■ 衣装の色・柄

立雛は立ち姿のため、衣装の美しさがより際立ちます。

選ぶ際は、

・全体の色味(華やか/落ち着き)
・柄の大きさや配置
・金糸や刺繍の有無
・お部屋との相性

を意識すると失敗しにくくなります。

伝統的な吉祥文様(松竹梅、桜、立涌など)は格式を感じさせますし、
パステルカラーや花柄は現代的でやわらかな印象になります。

立雛は縦のラインが強調されるため、柄の“見え方”も重要。
正面から見たときに美しくバランスが取れているかを確認しましょう。

■ サイズ感

「思ったより大きい」「意外と小さかった」という後悔を防ぐためにも、サイズ確認は必須です。

特に確認したいのは、

・横幅
・高さ
・奥行き

飾る予定の場所を実際にメジャーで測り、
紙やテープでサイズ感を再現してみるとイメージしやすくなります。

また、高さは見落とされがちですが、
棚の上に置く場合は上部の空間とのバランスも重要です。

コンパクトな立雛でも、存在感はしっかりあります。
「置けるサイズ」ではなく、「美しく見えるサイズ」を意識しましょう。

■ 飾り台・屏風のデザイン

立雛は背景によって印象が大きく変わります。

・白木調でナチュラルな台座
・ダークブラウンで落ち着いた雰囲気
・和紙屏風でやわらかい印象
・アクリルやシンプルな背景でモダンな印象

家具や床の色と合わせると、空間に統一感が生まれます。

また、屏風がある場合は、

・柄が主張しすぎていないか
・衣装の色とケンカしていないか

も確認しましょう。

立雛はシンプルだからこそ、背景とのバランスがとても重要です。

■ 品質と作り

立雛はコンパクトでも、決して簡易的な雛人形ではありません。

チェックしたいのは、

・布の貼り込みや縫製の丁寧さ
・柄合わせの美しさ
・人形の立ち姿の安定感
・台座との固定のしっかりさ

特に木目込みタイプの場合、布の溝への納まり具合や、柄の左右バランスが仕上がりを左右します。

長く飾るものだからこそ、「価格」だけでなく「仕上がりの完成度」に目を向けましょう。

細部まで丁寧に作られている立雛は、年月が経っても美しさを保ちます。


立雛でよくある質問

Q. 立雛は格式が低い?


A. いいえ。立雛は雛人形の中でも最も古い形式とされる、由緒あるスタイルです。

雛人形のルーツは、平安時代に行われていた「流し雛」にあります。当時の人形は立ち姿で、厄を祓う意味を持っていました。立雛は、その原点を受け継ぐ形式です。

江戸時代中期以降に座り雛(親王飾り)が広まりましたが、それは宮廷文化を模した豪華な形式が好まれるようになったため。
立雛が「簡易的」だからではありません。

むしろ、立雛は天皇・皇后の立ち姿を象徴する、非常に格式高い存在です。

見た目がコンパクトだからといって、意味や価値が軽いわけではありません。
伝統を大切にしながら、現代の暮らしに合う形として選ばれているのが立雛です。

Q. 立雛は倒れやすいですか?

多くの立雛は、内部に芯材が入っていたり、足元が台に固定されていたりと、安定性を考慮した作りになっています。

ただし、次の点には注意が必要です。

・小さなお子さまが手を伸ばせる位置
・ペットが飛び乗れる高さ
・ぐらつきやすい不安定な棚

安全に楽しむためには、安定した平らな場所に飾ることが大切です。

心配な場合は、

・壁面に近い位置に置く
・高めの棚に飾る
・アクリルケース入りを選ぶ

といった方法もあります。

立雛は見た目が繊細ですが、適切に飾れば安心して楽しめます。

Q. 立雛は座り雛より安いですか?

A. 必ずしも安いわけではありません。価格はサイズや作り、素材によって大きく異なります。

「コンパクト=価格が低い」というイメージを持たれることもありますが、実際はそう単純ではありません。

立雛は立ち姿を美しく見せるために、

・衣装のバランス設計
・重心の安定
・後ろ姿まで意識した仕立て
・柄の見え方の計算

など、細やかな技術が求められます。

特に衣装着タイプでは、布の重なりや裾の広がりが自然に見えるよう工夫されています。
木目込みタイプでも、溝への布の納まりや柄合わせの精度が仕上がりを左右します。

そのため、上質な立雛は決して「簡易版」ではなく、本格的な雛人形としての価値を持っています。

価格は「サイズ」よりも「品質」で決まるもの。
長く飾るものだからこそ、仕上がりの丁寧さに注目して選ぶことが大切です。


ふらここの立雛|コンパクトでかわいい

ふらここの立雛は、赤ちゃんのようなやさしい表情と、流れる衣装の美しさが特徴。

京都の織元と試作を重ねて生まれた上質な生地を使用し、伝統文様から現代的な花柄まで幅広く展開しています。

飾り台や屏風もナチュラルカラー中心で、現代の住まいに自然に馴染むデザイン。横幅30〜40cm程度で、マンションにも飾りやすいサイズです。

ふらここの立雛一覧

まとめ

立雛は、雛人形の原点ともいえる歴史ある形式です。
平安時代の流し雛をルーツに持ち、天皇・皇后の立ち姿を象徴する、由緒正しいかたち。決して簡易的なものではなく、深い意味と伝統を受け継いでいます。

それでいて、現代の住まいに合うコンパクトさと、洗練されたデザイン性を兼ね備えているのが立雛の大きな魅力です。

・限られたスペースにも飾りやすい
・準備や片付けの負担が少ない
・衣装の美しさを立体的に楽しめる
・インテリアとしても自然に馴染む

暮らしに無理なく溶け込みながら、季節の節目をきちんと感じさせてくれる存在です。

大きさや華やかさだけが、雛人形の価値ではありません。
大切なのは、「その子の健やかな成長を願う気持ち」と、「毎年飾り続けられること」。

立雛は、現代の家族のかたちに寄り添いながら、伝統の想いをしっかりとつなぐ雛人形です。

春のやわらかな光の中で、凛と立つ姿を眺めるひととき。
そんな穏やかな時間を、これから毎年重ねていける一台を選んでみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋