人形や兜のつくり・品質
長く飾れる品質の良いものを選ぶ
五月人形の価格は、素材と手間のかけ方(技術)で決まります。
五月人形はすべて手作りなので、作者による技術の違いはかなり大きな差があり、長持ちするかどうかにも影響します。
一生に一度のお買い物なので、じっくりと品質を見定めてください。
妥協のない、
プロの卓越した技術と感性
小さくてもつくりに妥協のない、ふらここの五月人形。
その精緻なつくりを生み出しているプロの卓越した技術と感性をご紹介します。
お顔について
ふらここの五月人形のお顔は、かわいらしい赤ちゃんのお顔。
純真無垢な赤ちゃんのお顔は、見る人の心をそっといやしてくれます。
心がぬくもる五月人形。それが「ふらここ」の五月人形づくりのテーマです。
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胡粉仕上げ(ごふんしあげ)
上質な貝の殻を細かく砕いた「胡粉(ごふん)」を、お人形の肌にむらなく塗ることにより、白い肌を作り上げていきます。
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面相(めんそう)
豊かな表情に仕上げるために、まゆ毛やまつ毛、髪の毛の生え際などを描いていきます。特にふらここでは、赤ちゃんのかわいい表情をつくるために、下まつ毛を愛らしく描きます。
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目入れ
目はガラス製の義眼で仕上げます。この目の入れ方ひとつで、お顔の表情が大きく左右されてしまいます。職人の技術が最も問われる工程ですが、ふらここの工房では、お顔づくり一筋のベテラン職人が独特の技法によりみごとな仕上がりを実現しました。
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結髪(けっぱつ)
筋彫りをした頭部に、髪の毛(上質な絹糸)を植え込み、丹念に櫛(くし)でとかしながら髪型を結い上げていきます。
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耳
ふらここの人形のお顔には、凹凸のある耳が付いています。細部まで手を抜かず、細かい造形を一つひとつ丹念に作り込んでゆきます。
胴体について
木目込み人形の胴体は、桐塑(とうそ:桐の粉)を固めて作ります。
昔ながらの伝統技法を大切に守り、大量生産に適した発泡スチロールはいっさい使用しておりません。
皆さまに長く愛され、いつまでも大切にしていただけるお人形づくりがふらここの信条です。
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生地作り
型に胴体をつくるための素材を詰めます。
素材が崩れないように、型をそっと外します。
型から抜いた胴体を2~3週間干して乾かします。
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彫塑(ちょうそ)
出っ張った部分をヤスリで削り取ります。
凹んだ部分を桐塑(とうそ)で埋めます。
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筋彫り(すじぼり)
胴体に、布地(衣装)を木目込むための筋を彫ります。
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木目込み
胴体に彫った筋に、裁断した布地をヘラを使って押し込み、衣装を着せ付けてゆきます。
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鍬形
鍬形のデザインで、正面から見た兜や鎧のイメージが大きく変わります。ふらここは形の美しさに加え、色や模様にもこだわり、独特の美しさをつくり出しました。
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吹き返し(ふきかえし)
兜の正面で、鍬形と共に最も目を引く部分です。ふらここの兜や鎧は、なめし皮、飾り金具、彫金などを使用して、とてもおしゃれに仕上げました。
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しころ
首回りを防御する部分。金属の小札板(こざねいた)を縅糸で編んで仕上げます。ふらここの兜や鎧は、金・黒・青など色々な小札板に、色とりどりの美しい縅糸を組み合わせ、オリジナル性を高めました。
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鉢(はち)
兜のヘルメット部分である鉢も、金属に細かい装飾をほどこして、ていねいに仕上げました。また、外側からは見えない鉢の内側にも、きれいに布を裏張りし入念な仕事を欠かしません。
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縅糸(おどしいと)
兜や鎧には、前面ばかりではなく側面や後ろの美しさも欠かせません。特に兜の後部の縅糸の色目は、全体の出来ばえを左右するほどに大切な要素です。
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胴(どう)
ふらここでは絵韋(えがわ)の素材にもこだわり、鹿の皮を使用して仕上げています。なめした鹿皮にていねいに絵柄を染め上げて、上品さの中にも温かさを感じる仕上がりとなっています。
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草摺(くさずり)
鎧の胴よりたらし、鎧の部位の中でも最も目を引く美しい部分です。色とりどりの美しい縅糸を使用し、細かいピッチでていねいに編み上げました。
兜や鎧の制作について
ふらここの甲冑(兜・鎧)は、細かい手作業により丁寧に制作されています。
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縅(おど)し
正絹の縅糸(おどしいと)で小札板(こざねいた)をていねいにつづり、色鮮やかな兜の後部をつくります。
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金具づくり
細かい金具で手作業で一つずつていねいに組み合わせ、吹き返しや鉢(はち)などをつくります。
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仕上げ
各構成部分をまとめ、兜を仕上げます。仕上げは、甲冑師の技量が問われるとても大切な仕事。各部の取り付けの良し悪しで、兜の出来ばえが決まります。