2020年11月17日

雛人形

雛人形の「五人囃子」ってどんな人?役割や楽器の並び順を解説

童謡の『うれしいひなまつり』にも登場する、5人の男の子で構成された五人囃子(ばやし)。「五人囃子の笛太鼓」という歌詞にもあるように楽器を持っている雛人形ですが、そもそもどのような人たちなのか、どのように並べたらいいのかなど気になっている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、五人囃子の意味や役割、並び順について詳しく解説いたします。最後にふらここオリジナルの可愛らしい五人囃子もご紹介するので、ぜひ雛人形選びの参考にしてみてください。

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五人囃子の意味や役割とは

五人囃子とは、能楽を演じる囃子方(はやしかた)と地謡(じうたい)の少年のことです。囃子方とは能の音楽を担当する演奏者たちのことで、地謡とは詞章を合唱する演者を指します。

囃子方も地謡も、役者の演技を引き立てる脇役的な役割のように思えるかもしれません。もちろんそのような役割もありますが、囃子方は能の拍子を取りながら物語の進行をリードし、地謡はコーラス部分 を担当する重要な存在です。

なぜ雛飾りに五人囃子がいるの?

段のある雛飾りのなかには、五人囃子の雛人形が並んで楽器の演奏や謡によって場を盛り上げている様子が表現されています。

しかし、そもそも雛飾りは天皇皇后の結婚式を模したもの。本来官中行事において演奏されるのは「雅楽(ががく)」であり、五人囃子による能楽が演じられることはありません。

実は雅楽を奏でる「五楽人」と呼ばれる人形も存在しており、5体それぞれが横笛(よこぶえ)・縦笛(たてぶえ)・火焔太鼓(かえんだいこ)・笙(しょう)・羯鼓(かっこ)という異なる楽器を演奏して結婚式を盛り上げる様子を表しています。そのため、雛飾りには五人囃子ではなく五楽人の雛人形が飾られるほうが自然であると考えられます。

ではなぜ五人囃子が飾られるケースが多いのか、と不思議に思われることでしょう。実は江戸の武家社会において能楽が流行するなかで、五人囃子の存在が広く知れ渡りました。そのことが影響し、五楽人ではなく五人囃子を取り入れた雛飾りが主流になったとされています。

現在も、段のある雛飾りにおいては上から三段目(三人官女の一段下)に五人囃子が飾られるケースが一般的です。ただし、なかには五人囃子の位置に五楽人の雛人形が並ぶ場合や、演奏者が2人多い「七楽人」を取り入れた雛飾りも存在します。

ちなみに、五楽人の雛人形は元服(現在における成人式のようなもの)後の成人男子の姿をしていますが、五人囃子の雛人形は元服を控えた11歳~16歳くらいの少年がモデルです。基本的にはおかっぱ頭に侍烏帽子(さむらいえぼし)と呼ばれるかぶり物を付けており、5人それぞれが異なる楽器を持っています。

 

五人囃子の持ち物や並び順をチェック

異なる楽器を持つ五人囃子は、向かって左から「太鼓(たいこ)→大鼓(おおかわ)→小鼓(こつづみ)→笛(ふえ)→謡(うたい)」の順に並べます。一般的には楽器が大きい順に左から、と言われる傾向がありますが、実際の雛飾りにおいては大きさにあまり違いがない場合も少なくありません。そこで、「音が出る場所が口から遠い順に左から並べる」と覚えておくとよいでしょう。

ここから先は、それぞれが持っている楽器とその役割についてご紹介します。

・太鼓(たいこ)

向かって一番左には両手にバチを持った雛人形を飾り、その前に専用の台に乗っている太鼓を置きます。響かせない小さな音「ツクツク」と響かせる大きな音「テンテン」で四拍子のリズムを主導する役割があり、五人囃子のリーダー的存在です。

・大鼓(おおつづみ)

向かって左から二番目には、手で直接打面をたたいて音を出すタイプの「大鼓」を持つ雛人形が並びます。甲高く迫力のある音が特徴的で、「ヤー!」「ハー!」といった掛け声を出すのもこの役の担当です。

・小鼓(こつづみ)

大鼓より向かって右隣には、ひと回り小さいタイプの「小鼓」を肩に担いだ雛人形を配置します。小鼓には指の使い方によって4種類の音色を打ち分けられる魅力があり、多様な音色を作り出すことによって表現豊かに能楽を演出するのが大きな役割です。

・笛(ふえ)

小鼓より向かって右隣りに並ぶのは、「笛」を持つ雛人形です。この笛は全長が39センチほどある横向きの笛で、主旋律を奏でる役割を担っています。また、能楽においては力強い吹き方をすることから、リズムを刻む打楽器的な役割もあります。

・謡(うたい)

向かって一番右端には、右手に扇を持った「謡」が並びます。その名の通り声楽を担当するのが基本ですが、歌の上手さだけでなく扇の取り扱いやしぐさなどで雰囲気を盛り上げるのも大切な役割です。

 

ふらここの可愛らしい五人囃子をご紹介

ふらここでは、五人囃子を含んだにぎやかな雛飾りを多数ご用意しております。ふらここの五人囃子はあどけない赤ちゃん顔が何とも可愛らしく、小さな楽器を手に演奏している姿にほっと心が和むことでしょう。

お衣装は女雛・男雛と同じ柄を選び、色調も合わせることで統一感を演出いたしました。単品販売も行っているため、種類によっては後から付け足していただくことも可能です。

ちなみに、単品販売の五人囃子は爽やかな印象のカラーが特徴的で、どのタイプの雛飾りにもしっくりと馴染みます。別売りの「外付け台(五人囃子用)」を用いると一体感が出て、さらに素敵に飾っていただけるでしょう。

・五人囃子を含んだセットでおすすめの商品はこちら!

商品名:ことこと 琳派名物裂(CT-01324401)
サイズ:横幅42.5×奥行31.5×高さ34.5cm
価格:181,800(税込199,980円)
https://www.furacoco.co.jp/hina/product/CT-01324401

・五人囃子の人形単品販売でおすすめの商品はこちら!

商品名:まいまい 五人囃子 小花に唐松 MI-01822900
サイズ:高さ6.5cm(中央)
価格:53,000円(税込58,300円)
https://www.furacoco.co.jp/hina/product/MI-01822900

セット、単品販売、どちらもたくさんの種類をご用意しておりますので、ぜひ以下の商品ラインナップにてご確認ください。

ふらここ雛人形の商品一覧はこちら>

五人囃子とともに楽しくにぎやかな雛祭りを

女雛と男雛の結婚式における盛り上げ担当として、楽器や歌を演奏する役割の五人囃子。そのにぎやかな様子を表現した五人囃子のお人形を含む雛飾りを設置すれば、雛祭りの明るく楽しい雰囲気を演出しやすくなるでしょう。

ふらここの愛らしくやわらかな印象の五人囃子なら、お子さまと一緒に飾ることがさらに楽しみなるかもしれません。豊富なラインナップのなかから、ぜひお気に入りを見つけてみてください。

ふらここブログでは、五人囃子についてちょっとした小話の記事がございます。よろしければ見てみてくださいね。

ブログはこちらから

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この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋