投稿日:2021年7月28日 更新日:2021年10月8日

五月人形 伝統行事

こどもの日の食べ物とは?意味や由来、簡単レシピをご紹介

5月5日の「こどもの日」は、男の子の健康や成長を願う「端午の節句」でもある特別な日。お子さまの好きなメニューでお祝いするご家庭も多いかもしれませんが、せっかくなら「端午の節句ならではの行事食」を取り入れて縁起かつぎをされてみてはいかがでしょうか。

この記事ではこどもの日における代表的な食べ物を3つピックアップし、それぞれの意味や由来、簡単レシピをご紹介します。ぜひ五月人形や食卓に添えて、ご家族みんなで日本の伝統文化を味わいましょう。

こどもの日における代表的な食べ物3選

こどもの日に食べるものは地域によっても異なりますが、端午の節句において古くから伝わる行事食としては以下でご紹介する3つの食べ物が挙げられます。意味合いや由来とともに簡単レシピもご紹介するので、ぜひお子さまと一緒に手作りされてみてはいかがでしょうか。

1.柏餅

 

こどもの日の食べ物というと、「柏餅」を思い浮かべる方が多いかもしれません。柏餅は上新粉を用いた生地にあんこを入れて丸め、柏の葉で包んで蒸した餅菓子です。

柏の木には新芽が出るまで葉が落ちない性質があることから、「子孫繁栄」や「両親の健康」といった願いを意味する縁起物として広まっていったと言われています。特に関東で好まれやすく、なかのあんこはこしあんやつぶあん、味噌あんなどバリエーション豊富です。

●柏餅の簡単レシピ(5個分)

【材料】
・上新粉:200g
・砂糖:大さじ1
・熱湯:200ml
・お好みのあんこ:200g
・柏の葉:5枚

【事前準備】
蒸し器にお湯を沸騰させ、上段にはクッキングシートを敷いておきます。あんこは5等分して丸めておきましょう。

【作り方】
① ボウルに上新粉と砂糖を入れ、菜箸でよく混ぜ合わせます。そこに熱湯を入れ、生地がまとまるまで手でよくこねます。

②生地を一口大にちぎり、蒸気の上がった蒸し器に並べ入れます。ふたをし、中火で10分ほど蒸します。
③クッキングシートを敷いたまな板の上に取り出し、一旦ひとまとめにして熱いうちによくこねます。まとまったら5等分にして楕円形に伸ばし、あんこを包んで丸めます。
④柏の葉で巻いて完成です。

2.ちまき

「ちまき」も、こどもの日における代表的な行事食のひとつ。もち米を笹の葉や竹の皮で包んで蒸したもので、特に関西や中国地方で多く食べられています。

ちまきの歴史は古く、紀元前4~3世紀頃に民衆から慕われた中国の役人・屈原(くつげん)にちなむ逸話がルーツとされています。ほかの官僚による陰謀で失脚し身投げした彼の死を悼み、人々は彼の命日である5月5日に現代のちまきのような供え物を川へ流すようになりました。

その後、中国ではちまきを「無病息災」の縁起物として取り入れるようになり、それが日本に伝わるなかでこどもの日の食べ物として定着していったと言われています。

ちなみに、ちまきのイメージは地域によって異なり、たとえば関西では柏餅のような白くて甘いお餅のイメージ、関東では中華風おこわのイメージをお持ちの方が多い印象です。今回は中華風おこわのレシピをご紹介するので、手作りしたいとお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

●ちまきの簡単レシピ(8個分)

【材料】
・もち米:3合
・鶏もも肉:1枚(250g)
・にんじん:1/2本
・しいたけ:4枚
・ごま油:大さじ1
・竹の皮:8枚

(調味料)
・水350cc
・しょうゆ・酒・オイスターソース:各大さじ1
・鶏ガラスープの素:小さじ1

【事前準備】
・もち米は洗い、2時間程度水につけてから水気を切っておきます。
・竹の皮は水を張ったボウルに入れて15分ほど浸し、キッチンペーパーで水分を拭き取っておきます。
・蒸し器のお湯は沸騰させておきます。

【作り方】
①鶏もも肉・にんじん・しいたけを1cm角にカットします。
②フライパンにごま油を熱し、①を入れて炒めます。調味料を合わせたものともち米を入れ、全体を混ざ合わせます。
③8等分にしたものを竹の皮で包み、タコ糸で縛ります。
④蒸し器に入れ、もち米に火が通るまで40分ほど蒸して完成です。

3.草餅

「草餅」も、ちまき同様に中国から伝わった行事食です。実は古来中国では「5」の数字は縁起が悪いとされており、特に5の重なる5月5日は「不吉な日」として邪気払いを行う風習がありました。

その際に用いられたのが、薬草としても使われるヨモギです。日本では「5」を忌み嫌うことはありませんが、「わが子に厄がつかないように」と邪気払いの意味を込めてヨモギを練り込んだ草餅を食べるようになったとされています。

●草餅の簡単レシピ

【材料】
・上新粉:200g
・砂糖:30g
・熱湯:150cc
・ヨモギ(生):100g
・つぶあん:180g

【事前準備】
・ヨモギは茎を取ってゆで、水気を切っておきます。その後すり鉢に入れて細かくなるまですります。
・つぶあんは8等分にし、蒸し器のお湯は沸騰させておきます。

【作り方】

①ボウルに上新粉と砂糖を入れて菜箸で混ぜ、熱湯を加えてさらによく混ぜます。
②濡らして固く絞った布を敷いた蒸し器に生地を並べ、①の生地を一口大にちぎりながら並べます。強火で20分くらい蒸しましょう。
③ボウルに②とヨモギを入れ、すりこぎでよくこねて8等分します。
④つぶあんを生地で包み、丸めて完成です。

 

こどもの日らしい食べ物で無病息災を願いましょう

今回は柏餅・ちまき・草餅をご紹介しましたが、端午の節句における行事食は地域によっても異なります。たとえば北海道では木の葉の形が特徴的な「べこ餅」、鹿児島ではもち米を灰汁で煮た「あくまき」などが多く食べられており、どの食べ物にも無病息災への願いが込められています。

ぜひそういった伝統的な縁起物をお子さまの好きなメニューにプラスして、健やかな成長を祈願しながらこどもの日ならではの食卓をお楽しみください。

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この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋