赤ちゃんが生まれたあと、名前を両家や親族に披露するのは、嬉しい瞬間ですよね。
家族が増えた実感がぐっと増すことでしょう。
そのお披露目のために「命名書」を用意したり、「お七夜」や「命名式」というイベントをしたりすると聞いたものの、一体どんな風に用意をすればいいのか分からず困ってはいないでしょうか。
今回は、
・命名書とは?
・お名前を披露する「お七夜」と「命名式」のやり方
・命名書の用意の仕方
について詳しく解説します。
どのように赤ちゃんの名前のお披露目をすればいいかが分かり、産前産後の慌ただしい時期でも準備がスムーズにできるようになります。
命名書の用意の仕方や、お七夜や命名式で何をすればいいか迷っている方は、ぜひ最後までお読みください。
命名書って何?
命名書とは、赤ちゃんが誕生した際に赤ちゃんの名前などを記載する伝統的なアイテムです。
書く内容は様々ですが、赤ちゃんの名前、誕生日や両親の名前を書くことが多く、また親からすると赤ちゃんへの初めての正式な贈り物になります。
必ず準備しないといけないものではありませんが、赤ちゃんが生まれた記念として取っておけますので、準備するか迷ったら作っておくと良いでしょう。
お七夜と命名式について知ろう
赤ちゃんが生まれて7日目になると、「お七夜」というお祝いの儀式を行います。
命名書は、お七夜の中で行う「命名式」の中で、お名前を披露するために行うイベントです。
久保村正髙『一生使えるお作法図鑑』では、これらのイベントについてこう書かれています:
「お七夜や命名式は、お腹の中に芽生えた小さな命が大きくなり、「一人の人間となったことを認め、祝う」という一連の儀式です。
昔は生まれてすぐの死亡率が高く、7日経てば一安心と、人としてのしるしである名前を授け、盛大な祝いを行いました。」
久保村正髙『一生使えるお作法図鑑』2008年 PHP研究所、p.9
現代では医療技術も進歩し、出産後の死亡率も当時と比べるとぐんと低くなっているものの、出産が母子にとって大変な負荷を伴うものであることは変わりありません。
赤ちゃんの誕生を祝い、お母さんの労を労うイベントとして、行えるといいですね。
それでは、「命名式」と「お七夜」それぞれについて詳しく見ていきましょう。
■お七夜
赤ちゃんが生まれて7日目に、赤ちゃんの両親や両家の祖父母などが集まって赤ちゃんの誕生を祝う行事です。
起源をさかのぼると、平安時代の貴族階級が行っていた行事と言われています。
「元々は平安時代の貴族階級では、こどもが生まれた日を初夜、三日目を三夜、五日目を五夜、七日目を七夜、九日目を九夜といって奇数日に出産を祝う「産立ち(うぶだち)の祝い」を催していました。
飯倉晴武『日本人のしきたり』2003年 青春新書、p.103
それが江戸時代に、七夜だけが行事として残り、この日を名づけ披露としてお七夜と呼ぶようになりました。」
衛生環境や医療技術が未成熟な頃にあっては、赤ちゃんの出生後の死亡率が高く、生まれてすぐに亡くなってしまうケースも少なくありませんでした。
7日生きられれば一安心、ということで赤ちゃんが無事に7日間生きられたことを喜んだ風習が、現代まで受け継がれているのです。
また、昔は生後6日目までは産神様の庇護のもとにあると考えられており、7日目になってようやく両親の保護のもとにくるということも言われていました。
人間としてのしるしである名前を付けることで、家族の誕生を改めて祝ったとも考えられます。
お七夜は誰が参加する?何をやるの?
現代では、お七夜の参加者や内容について厳密なルールはありません。
お七夜では、赤ちゃんの両親や両家の祖父母が集まって、下記のようなことを行うのが一般的です。
・命名式を行う
・皆で食事をする
・記念写真を撮影する
お七夜を行うにあたって、一番大事なのは母子の体調と安全です。
ママは産後の疲れが残る時期であり、また赤ちゃんも生まれたばかりの時期は感染症に掛かりやすいため、無理は禁物です。
また、内輪のお祝いなので必ずやらないといけないわけではありません。
命名書のみ用意する、食事は普段の食事を皆で食べるなどでも問題ありません。
母子の体調を最優先にして、無理のない範囲で行いましょう。
■命名式
上述の通り、お七夜の中で行う儀式の一つです。
赤ちゃんの名前を披露し、改めて誕生を盛大に祝います。
命名式の流れは地域などによって差はありますが、概ね以下の通りです。
①ご両親による挨拶
②命名書を見せてお名前披露
③命名書を神棚などに奉納
神棚がない場合は、赤ちゃんの枕元や、リビングなど、良く見える場所に飾っておくと良いでしょう。
命名書ってどんなもの?
命名書は伝統的に用いられている正式版と略式版が存在します。
どちらを使っても問題ありません。
また、命名書の記載は一般には名づけをした人が行うと言われています。
昔は赤ちゃんの祖父が名づけをすることが多かったため、命名書の記載も祖父が行うパターンが多かったようですが、現代では特に決まりはありません。
■正式な命名書の書き方
奉書紙(ほうしょがみ)という白い厚手の和紙を使用します。
①横に二等分に折り、更に縦に三等分に折る
②三等分にした一番右に「命名」と記載
③三等分にした中央に赤ちゃんの父親の名前、続柄、赤ちゃんの名前、生年月日を記載
④三等分にした一番左に命名日・両親の名前を記載
⑤上記を記載した命名書を三等分に畳み、別の奉書紙に包み封入する
■略式の命名書の書き方
上述の正式版以外の命名書は略式版となりますが、よく見かける命名書は略式であるケースが多いようです。
記載する内容も、これと言った決まりはありません。
正式版と同じく赤ちゃんの名前、誕生日を記載します。
そのほかにも両親の名前、出生時の身長・体重などを記載したり、赤ちゃんの手形や足形を押したりする など、記載する内容は自由です。
命名書の用紙はベビー用品店や、Amazonや楽天などのネットショップなどで販売しています。
中には、オーダーメイドの命名書を販売している会社もあり、「世界に一つだけの命名書を作って記念にしたい」という方にはピッタリです。
「そこまで凝ったものでなくても良いけどオリジナルのものが良い」という方は、テンプレートを使ってオリジナルの命名書を作るのがオススメです。
例えば、オンラインで使える無料のグラフィックデザインツールCanvaでは、次のような可愛いテンプレートが無料で提供されています。
サイトにアクセスして、名前や誕生日などを変更すれば、そのまま素敵な命名書が出来上がります。
素敵な命名書で、赤ちゃんの誕生をお祝いしよう
命名書は、赤ちゃんの名前を披露し、その誕生を家族みんなで祝うためのツールです。
赤ちゃんへの一番最初のプレゼントとして、素敵なものを用意したいですね。
お七夜や命名式のほかにも、赤ちゃんが生まれた後に行うイベントはたくさんあります。初正月、初節句、初誕生など、生後初めて迎える季節の行事は、とくに盛大にお祝いします。
ひな人形や五月人形を用意したり、お祝いの準備をしたりすると、赤ちゃんへの愛情もより一層増していくことでしょう。
家族みんなで赤ちゃんの成長を見守る、という気持ちを育てるためにも、こういったイベントは大切にしたいものです。
無理のない範囲で、楽しくお祝いの時間を過ごしてくださいね。
大切なわが子に特別なものを・・・ふらここの五月人形を見てみる>