2020年10月5日

雛人形

役目を終えた雛人形の処分方法って?雛人形の供養方法3つ

お子さまが大きくなったあと、雛人形をどう処分すればいいのか悩まれる方も多いのではないでしょうか。

「人形だと、譲るのも捨てるのも気が引ける…」とお悩みの方におすすめしたいのは、雛人形を供養することです。
供養にも方法はさまざまあり、神社やお寺などでお焚き上げをしてもらう方法もあれば、供養キットを使って自宅で供養する方法もあります。

この記事では、雛人形を供養する理由や供養の方法をご紹介します。

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雛人形が役割を終えたとき、捨てるのではなく供養してあげよう

雛人形には、女の子が元気に育つようその子の身代わりになって「厄を引き受ける」という役目があります。

お子さま
が病気やケガをしないよう、毎年身代わりとして見守ってくれた雛人形を、役目を終えたからと言って捨てるのは忍びないと感じる方もいるかもしれません。

とはいえ、厄を引き受けた状態の雛人形を他の子に譲るのは望ましくありません。
一般的にお子さまが大きくなったタイミングで手放す雛人形ですが、どのような方法で手放すのが望ましいといえるのでしょうか。

雛人形は、「身代わり」という意味合いから「お守り」に似ています。お守りを手放すときは神社でお焚き上げをしてもらうように、雛人形を手放す際も、単に捨てるのではなく供養してもらうのがよいとされています。

では、具体的になぜ供養してあげるとよいのか、以下でみていきましょう。

雛人形を供養してあげるのは何故?お子さまを守ってくれたことへの感謝を示すため

「供養」とは、尊敬や感謝の念を仏や菩薩などに対して示すことで、食べ物やお花などのお供えものをしたりお経を読んだりすることで行われます。

特に日本では人に対してだけではなく、思い入れの強いものに対しても、「お世話になりました」と感謝の念を込めた儀式を行うことがあります。

雛人形の供養の場合も、このように「子どもの厄災を引き受けてくれてありがとう」という感謝の気持ちを伝えることが目的です。

したがって、供養の時期は成人後など、子どもが無事成長し終わった頃に行うとよいでしょう。

姉妹の場合妹に引き継いではいけないの?

中には、ご親族に女の子がご誕生した場合や年の離れたご姉妹がいる場合、お人形を引き継がせることができないかとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論をお伝えすると、雛人形には「お下がりはNG」「姉妹での兼用はしてはいけない」といった明確なルールはありません。

しかしながら、上述したようにその子の「厄を引き受ける」といった、雛人形の本来の意味を重視される場合は、お下がりを使用するのではなく一人に一つずつ雛人形を用意し、役目を終えた雛人形は供養してあげることが好ましいと言えます。

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雛人形の供養の方法を知ろう

では、具体的に供養はどのように行うのでしょうか。ここでは、大きく分けて3つの方法をご紹介します。

1:神社やお寺で行う場合

神社やお寺に依頼し、供養してもらう方法です。全ての寺社で行っているわけではないので、事前に供養を行っているかHP等で確認してから依頼しましょう。

費用は、雛人形の大きさや供養の方法(特別な供養など)でも値段が変わってきます。特に供養料が設定されていない場合もありますが、基本的には5,000~10,000円程度を用意しておくと良いでしょう。

供養の依頼方法は、大きく分けて「持ち込み」と「送付」の2種類です。
受付時間内に寺社に直接雛人形を持ち込むか、宅急便等で寺社に送ります。

特にどちらでなければいけないということはないので、状況に応じて便利な方法を使うとよいでしょう。

ただし、どちらの場合も事前連絡が必要ですので、手順をしっかりと確認しておきましょう。
雛人形が寺社に届いたら、あとはお坊さんや宮司さんが読経やお焚き上げをして、供養してくれます。

送付やお焚き上げの関係で、ガラスケースに入った雛人形は追加料金がプラスされたり受け付けてもらえない場合も多いので、注意が必要です。
お焚き上げの際に残ってしまわないよう、金属などの燃えないパーツは事前に外して依頼するとより安心です。

それでは次に、人形供養を通年で受け付けている神社・お寺をご紹介します。

【人形供養で有名な寺社】

・祐徳稲荷神社

日本三大稲荷の一つに数えられる祐徳稲荷神社では、通年で人形供養(「神社のお焚き上げ」サービス)を受け付けており、「お焚き上げキット」を購入し、神社に人形を送るだけで人形供養をしてもらうことができます。
全国どこからでも利用することができて、送料も全て神社が負担してくれるので、安心して供養を依頼できます。

また、多くの神社・お寺では不燃物を受け付けてもらえないことがほとんどですが、「神社のお焚き上げ」サービスでは、不燃物も受け付けてもらえるので、分別の手間なくまとめて送れるのも嬉しいポイントです。

〉〉「神社のお焚き上げ」サービスのご利用はこちらから

・長福寿寺

持ち主の「感謝の気持ち」をしっかりお人形に伝えることを大事にしている寺院です。3ヶ月もの間、真心込めて読経供養され、「日本唯一の人形専用の火葬炉」でお焚き上げをしてくれます。
丁寧で心のこもった供養が人気のようで、HPには利用者からの手紙も掲載されています。持ち込み・送付のいずれも対応可能です。

住所:〒297-0121 千葉県長生郡長南町長南969
電話番号:0475-46-1837
供養料:10,000円(一式)
    ※七段飾りは20,000円
HP:https://ningyoukuyou.jp/

2:一般社団法人日本人形協会に依頼する場合

一般社団法人 日本人形協会は、日本の伝統的な工芸品や産業の振興を目指して活動している団体です。
活動の一環として、雛人形を含むさまざまなお人形の供養「人形感謝(供養)代行サービス」を行っています。

電話またはWebサイトから申し込むと、「ひとがた札」「お人形送り専用ラベル」「手続きについての説明書」「代金振込票」の入った「お人形差出キット」が送付されます。

規定サイズの箱を用意して梱包・郵送し、付属の代金振込票で代金を支払うと手続きは終了です。送料は集荷の際に、供養料は1週間以内に郵便局で支払います。

お人形は毎年10月頃に行われる東京大神宮の「人形感謝祭」で供養され、11月初旬頃に供養済のお知らせが郵便はがきにて届きます。

・一般社団法人 日本人形協会

住所:〒111-0052  東京都台東区柳橋2-1-9 東京卸商センター内
電話番号:0120-25-5942
供養料:5,000円(1箱)
HP:https://www.ningyo-kyokai.or.jp/kuyou/

 

3:自宅で供養する場合

自宅で供養する場合は、最終的に雛人形を可燃ごみまたは粗大ごみとして処分することになります。処分の際、供養の意味で「これまで子どもを守ってくれたことへの感謝」を心の中で伝えつつ、作業するとよいでしょう。

雛人形をいつどのように処分すればよいのか、可燃ごみ・粗大ごみのどちらにあたるのかは、お住まいの自治体によって異なります。事前にHPなどで確認しておきましょう。可燃ごみとして処分する場合は、金属などの不燃パーツは外して分別する必要があります。

より丁寧に供養したい場合は、白い和紙に雛人形を乗せて上からお清めの塩を振り、感謝の気持ちを持ってお見送りするのがおすすめです。また、下記のような供養キットを利用する方法もあります。

【自宅供養向けのキットを扱う寺社】

・結城諏訪神社

自宅で供養をするために作られた「もの供養キット」。人形はもちろん、大きくて郵送できないものの供養も可能です。

Webサイトから申し込んで代金を振り込むと、形代(かたしろ)・絵馬等の入った「もの供養キット」が送られてきます。キットに沿って自宅で供養を行い、形代や絵馬などを返送すると、それらを神社で供養・お焚き上げしてくれます。

雛人形は自宅で処分することになりますが、神社側でも形代や絵馬を供養してくれるので、「人形は送れないけれどしっかり供養したい」という方におすすめです。

住所:〒307-0021 茨城県結城市上山川161
電話番号:0296-35-6007
供養料:5,000円
HP:http://www.suwa-jinja.jp/monokito

供養で感謝の気持ちを伝え、しっかりとお見送りを

雛人形は「身代わりとしてお子さまの厄を引き受ける」という役目を持っていることから、処分の際は供養することをおすすめします。供養の方法は大きく分けて「神社やお寺で行う場合」「一般社団法人日本人形協会に依頼する場合」「自宅で供養する場合」の3パターンがあるので、ご家庭の状況に合わせて選ぶとよいでしょう。お子さんの成長を見守ってくれた雛人形には、しっかり供養することで感謝の気持ちを伝え、お見送りしてあげましょう。

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この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋