3月3日の雛祭りに、女の子の健やかな成長を願って飾る雛人形。毎年の恒例行事として楽しみながら設置されているご家庭が多くみられますが、お子さまが成長するにつれて「雛人形は何歳まで飾るものなのか」と疑問に思う方もいるかもしれません。
また、お子さまが親元を離れているご家庭のなかには、「飾らなくなった雛人形はどうしたらいい?」とお悩みの場合もあるでしょう。
そこで、今回は雛人形を飾る年齢の傾向をご紹介するとともに、飾らなくなったお人形の処分方法をまとめました。また、新しい雛人形をお迎えしたい場合に注意したいポイントについても解説いたします。
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雛人形は何歳まで飾る?ルールの有無や一般的なタイミングをチェック
雛人形を飾る年齢については、「何歳まで飾る」といった厳密な決まりはありません。
そもそも雛人形は、お子さまの災厄を引き受けてくれるお守りのようなもの。親御様の「健やかで安全に過ごしてほしい」と想う気持ちに期限はないことから、お子さまがいくつになっても飾ってよいとされています。
ただし、お子さまの成長における節目や地域の風習に従って、以下のタイミングで飾らなくなるご家庭もみられます。
・成人式を迎えるタイミング
・結婚するタイミング
・高校や大学を卒業するタイミング
ひとつの節目となるのが、お子さまが成人式を迎えるタイミングです。成人式は「大人社会への仲間入りを祝福・激励する行事」であることから、大人への成長を機に飾ることをやめるご家庭は少なくありません。
また、雛人形は「天皇の結婚式」を模したものであり、天皇皇后のような幸せな結婚を願う想いも込められているため、お子さまが結婚するタイミングで飾らなくなるご家庭も多くみられます。さらにお子さまの卒業がきっかけになるケースもあり、どのタイミングを成長の区切りとするのかはご家庭の考え方によって異なる印象です。
なかには、年齢に関係なくずっと雛人形を楽しまれているご家庭もあります。大人になっても大切に愛用し、毎年、あるいは飾りたいと思った年に設置する…そういった楽しみ方もあるようです。
飾らなくなった雛人形はどうすればよい?
飾らなくなった雛人形は、ご家庭でずっと保管していても構いません。とはいえ「収納場所を確保し続けるのが難しい」「いつまでも表に出さずにしまっておくのは気が引ける」といった理由で、処分したいと考えるご家庭もあるでしょう。
もしも処分したい場合は、不用品として捨てるのではなく「人形供養」で手放すことをおすすめします。人形供養の方法には主に「神社やお寺に依頼する方法」「一般社団法人日本人形協会に依頼する方法」「自宅で行う方法」の3パターンがあり、それぞれ供養の仕方や費用などが異なります。
〇参考:役目を終えた雛人形の処分方法って?雛人形の供養方法3つ
なかには「いつか娘に女の子が生まれたら受け継いでもらおう」と、処分せずに保管しておく方もいるかもしれません。しかし、「雛人形=お子さまの身代わり」という観点から、代々受け継ぐことは避けるほうがよいと言われています。
もちろんそこまで厳密に守る必要はありませんが、基本的には「雛人形はひとりにひとつ」と考え、飾らなくなったら丁寧に供養して処分されるとよいでしょう。
年齢に応じて新しい雛人形が欲しい。そんなときは?
雛人形は役目を終えるまで大切に飾られることが望ましいですが、なかには「子どもの成長に応じて新しい雛人形が欲しい」と考えるご家庭もあるかもしれません。もちろん「お子さまに2つ目のお人形を用意してはいけない」といった決まりはないため、ご希望に合わせて取り入れるとよいでしょう。
ただし、その際は初代の雛人形をきちんと供養してから2つ目の雛人形をお迎えすることをおすすめします。お子さまの初節句から長く見守ってくれたことへの感謝の気持ちを持って、丁寧に対処することが大切です。
ちなみに、大人になってから自分用に雛人形を購入するケースもみられます。近年の雛人形はインテリア感覚で飾れるおしゃれなタイプが多く、赤ちゃんの初節句に向けて雛人形を用意する際に「自分用にも欲しい」と考えるママも少なくありません。
お子さまの雛人形と一緒に並べて飾り、親子で楽しむのもいいですね。
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雛人形を飾る期間にこだわらず、長く大切に楽しみましょう
雛人形には、「何歳から何歳まで飾る」といった明確な決まりはありません。ぜひご家庭の考え方やお子さまのご希望に合わせて、長く大切に楽しまれるとよいでしょう。
もしも手放したい場合は不用品として処分するのではなく、感謝の気持ちを込めて丁寧に供養することをおすすめします。
ぜひお気に入りの雛人形とともにお子さまの成長を見守りながら、毎年の雛祭りにおける素敵な思い出を重ねていきましょう。
\ 「今まで見守ってくれてありがとう」の気持ちを込めて・・・ /
1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。