女の子の初節句を迎えるにあたり、「雛人形はいらない」とお考えの方もいるのではないでしょうか。女の子が生まれて初めて3月3日の初節句を迎える前に用意する風習がありますが、近年ではさまざまな事情によってお雛様を購入しないご家庭もみられます。
しかし、雛人形は女の子の健やかな成長を願って飾る大切な縁起物です。何となく「必要ない」と決めるのではなく、お雛様の必要性に注目しながら慎重に判断するとよいでしょう。
そこで、今回は雛人形を飾る意味を解説しながら、いらないと考えるご家庭の割合や理由、用意するメリットについてまとめました。
ぜひ参考にしながら、ご家庭の方針に合わせて初節句の準備を進めていきましょう。
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雛人形を飾る意味とは
https://www.furacoco.co.jp/hina/product/ME-01341201
雛人形の必要性を考えるにあたり、まずは「お雛様を飾る意味」に注目してみましょう。
雛人形は、女の子の健やかな成長への願いが込められた縁起物です。また、お子さまに降りかかる厄や災いを引き受けてくれる「身代わり」の意味合いもあります。
もともと人の形をしたものに願いや祈りを込める風習は縄文時代からみられ、土偶を「地母神(ちぼしん)」としてあがめる「土偶信仰」が存在していました。そして、奈良時代以降には藁や紙で作った「人形(ひとかた)」に自分の災いを託して川に流す「身代わり信仰」が行われ、その後人々の間で「流し雛」と呼ばれる厄払いの行事が定着していきます。
この「流し雛」と平安時代に貴族の間で親しまれた「ひいな遊び(小さなお人形を用いた子どものおままごと遊び)」が組み合わさり、雛祭りに雛人形を飾る風習が根付いていきました。
雛人形のスタイルは時代とともに変化し、明治時代では大型で豪華な雛人形を飾ることで家の権勢を誇示していたようです。ちなみに現代ではそういった考え方は 減少傾向にあり、ご自宅にマッチするサイズ・テイストのものを選ぶご家庭が多くみられます。
「雛人形はいらない」と考えるご家庭の割合や理由について
次に、実際にどのくらいのご家庭が「雛人形はいらない」と考えているのか、さらにはお雛様を用意しない主な理由についても探っていきましょう。
2019年2月に株式会社ベビーカレンダーが実施したアンケート調査 によると、「初節句をお祝いする」と回答したご家庭は全体の90%ほどを占める結果となりました。そのうち、具体的な祝い方として「雛人形を飾る」と回答した方は94.3%だったことから、約6%程度の方はお祝いはしても、雛人形を飾らない 傾向があることがうかがえます。
また、雛人形を用意した方のうち、初節句で雛人形を購入した方は81.3%でした。約18%の方が購入していないことがわかりますが、その理由としては親や兄弟のお下がりを使用する、大きくなってから購入するなどのケースが考えられます。
なお、雛人形を購入しないご家庭が「いらない」と考える主な理由は以下の通りです。
・設置場所や収納場所がない
・経済的に余裕がない
・出したりしまったりが面倒
・子どもが怖がりそう
・自分も持っていなかったため、特に必要性を感じない
特に懸念されることが多い点が、スペースと費用です。昔ながらの雛人形は大きなサイズで高額なものが多かったことから、「気軽に取り入れられない」といったイメージにつながっているのではないかと考えられます。
しかし、近年においては場所を取らないコンパクトサイズや、少ない予算でも購入できるリーズナブルな商品が増えてきました。また、飾る・しまうといった作業がしやすいように工夫されたタイプや、洋風のお部屋にも似合うかわいい雰囲気のものも多く、インテリア感覚で気軽に雛人形を楽しむ時代へと変化しつつあります。
雛人形を用意する5つのメリット
雛人形には「必ず購入しなければならない」といった決まりはありませんが、取り入れることでさまざまなメリットがあります。ここでは特に注目したい5つの魅力についてチェックしていきましょう。
【メリットその1】お子さまへの想いや願いを形にできる
雛人形を贈る最大のメリットといえるのが、お子さまへの想いや願いを形にできることです。「すくすくと成長してほしい」「幸せな 人生を歩めますように」といった気持ちを込めて選ぶことで、お子さまにとっても親御様にとっても大切な宝物になるでしょう。
なかには祖父母様が「孫にお雛様をプレゼントしたい」と購入を申し出るケースも多く、一緒に雛人形選びを進めることは祖父母様の喜びにもつながります。
【メリットその2】お祝いの場が華やかになる
雛人形を設置することで、華やかに雛祭りを楽しめる点も魅力のひとつです。菱餅やひなあられといった行事食も取り入れればさらにお祝いムードが高まり、記念撮影も盛り上がります。
【メリットその3】お子さまの思い出に残りやすい
雛祭りがお子さまの思い出に残りやすくなることも、雛人形を取り入れる大きなメリットです。雛人形との記念撮影や飾る・しまう作業などを通じて、「雛祭り=家族で楽しむ大切な行事」として自然と定着していくでしょう。
【メリットその4】物を大切にする気持ちを育める
雛人形はひとつひとつがとても繊細に仕立てられているため、触れる際は慎重に取り扱い、きちんとケアをして保管することが大切です。「丁寧にお手入れすれば長く綺麗に楽しめる」ということをお子さまに伝えるなかで、物を大切にする気持ちが自然と育まれます。
【メリットその5】日本の伝統文化を身近に感じられる
日本の伝統文化をご自宅で楽しめることも、雛人形ならではの魅力です。「雛飾りは平安時代の貴族の結婚式がモチーフになっているんだよ」「三人官女が手に持っているお道具はね…」などとお人形やお道具の意味について話しながら眺めることで、日本の歴史や文化への興味が芽生えることでしょう。
とっておきの雛人形とともに愛情あふれる雛祭りを
スペースの問題や費用面への懸念から、「雛人形はいらない」と考えるご家庭もあるかもしれません。しかし、雛人形を取り入れると親御様とお子さま双方にさまざまなメリットがあり、雛人形とともに雛祭りを楽しむなかで親子の絆をぐっと深められます。
もしも「コンパクトでかわいいお雛様を取り入れたい」とお考えなら、ぜひふらここのラインナップをチェックしてみてください。ずっと飾っていたい!と気に入っていただけるようなおしゃれな商品が揃っており、ご予算やご自宅に合うサイズ感、お好みのテイストにマッチするタイプがきっと見つかります。
ぜひお気に入りの雛人形を取り入れて、愛情たっぷりな雛祭りをお迎えください。
\ まるっと解説!初節句のルールとマナー /
1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。