こどもの日(端午の節句)にはなぜ「菖蒲湯」に入る?由来や作り方をご紹介

5月5日のこどもの日には、無病息災を願って菖蒲湯(しょうぶゆ)に入る風習があることをご存知でしょうか。菖蒲湯とは古くから薬草として用いられてきた「菖蒲」をお湯の中に入れて沸かすお風呂のことですが、「なぜそのような習慣が生まれたのか」「薬草としてどのような作用があるのか」といった点について気になっている方もいるかもしれません。

そこで、今回はこどもの日に菖蒲湯に入る由来を解説するとともに、作り方や薬草としての作用を詳しく解説します。また、「五月人形や鯉のぼりを飾る」「ちまきや柏餅を食べる」など、こどもの日における菖蒲湯以外の風習についてもまとめました。

ぜひ参考にしながら、5月5日ならではの一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。

 

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こどもの日に菖蒲湯に入る由来とは

こどもの日は奈良時代に中国から伝来した「端午の節句」の日でもあり、菖蒲湯に入る風習も古代中国から伝わったものです。当時、中国において5月5日は雨期を迎える直前であったため、雨期に増加しやすい厄災や疫病などの邪気を払うことを目的として「端午の節句」と呼ばれる行事を行っていました。

その際に用いられたのが、「強い香りが邪気を払う」とされていた菖蒲です。葉を軒下につるしたり、根を刻んで入れたお酒を飲んだり、さらには葉や根を束ねてお風呂に入れる「菖蒲湯」に浸かったりする風習が生まれました。

その文化が日本へ伝わるなかで、菖蒲の葉が武士の大事な武器である剣の形に似ていることや、「尚武(武道を重んじること)」と同じ読みであることから、次第に男の子の健康や成長をお祝いする行事へと発展していきます。現代においても『端午の節句=菖蒲の節句』として、菖蒲は大切な縁起物の意味合いで広く用いられています。

 

菖蒲湯の作り方と作用について

ここでは、菖蒲湯の作り方と作用についてご紹介します。

・菖蒲湯の作り方

主な作り方は以下の通りです。

1. 用意した菖蒲を空の浴槽に浮かべます
2. 温度が高めのお湯を張り、完成です

菖蒲を細かく切り、ネットなどに入れてお湯に浸ける方法もありますが、上記のように菖蒲をそのまま入れるほうが香りをより楽しめます。菖蒲は端午の節句が近づく4月下旬から5月初旬頃にお花屋さんやスーパーなどで販売されることが多く、入手するのはそれほど難しくないでしょう。

ちなみに、名前が似ていることから「花菖蒲」を間違えて購入してしまうケースもみられますが、花菖蒲はアヤメ科の花であり、菖蒲湯の菖蒲はサトイモ科の植物であるため注意しましょう。

・菖蒲湯の作用

菖蒲湯は清々しい香りによってリラックス効果を期待できるほか、漢方においては血行促進作用によって肩こり・腰痛解消などに役立つともいわれています。また、「菖蒲の葉を頭に巻くと頭が良くなる」といった言い伝えもあるため、おまじないとしてお子さまと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

ほかにもある!こどもの日の主な風習をチェック

こどもの日(端午の節句)には、菖蒲湯以外にも以下のような風習があります。

・五月人形や鯉のぼりを飾る

五月人形とは、兜飾・鎧飾・大将飾の総称です。室内に設置することから「内飾り」ともいわれており、『強くたくましく成長してほしい』といった願いを込めて飾ります。

また、鯉のぼりは「外飾り」とも呼ばれるように基本的には家の外に飾るお飾りで、鯉は立身出世の象徴であることから『将来の活躍』を祈る目的で飾ります。近年では室内向けのコンパクトな鯉飾りも多くみられ、より華やかになるようにと五月人形の脇に添えて飾るスタイルが人気です。

・ちまきや柏餅といった行事食を食べる

ちまきや柏餅といった行事食を食べることも、端午の節句ならではの風習です。ちまきは古代中国で『無病息災』の縁起物として取り入れられていたことにあやかって、柏餅は「新芽が出るまで葉が落ちない」とされる柏の木の性質から『家系が途絶えないように』といった願いを込めていただきます。

〇参考:「こどもの日(端午の節句)の歴史は中国から?お祝い方法の意味も解説」

 

こどもの日には菖蒲湯に入り、健康を祈願しましょう

浴槽に菖蒲の束を入れてお湯を張るだけで、手軽に楽しめる菖蒲湯。厄払いの意味合いがあるほか、爽やかな香りによるリラックス作用や薬草としての血行促進作用も期待できるため、こどもの日の恒例イベントとして取り入れてはいかがでしょうか。

「厄を払い、健やかな成長を祈願する」という意味合いは、五月人形にも同様に込められています。これから初節句を迎えるご家庭はぜひお気に入りの五月人形をお迎えして、端午の節句を盛大にお祝いしましょう。

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この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋