投稿日:2023年7月24日 更新日:2023年9月28日

雛人形 飾り方

京雛ってどんなお雛様?関東雛と比較して解説

雛人形を探していると、いろいろな種類の雛人形に出会いますよね。種類に加えて生産地も日本全国様々ですが、なかでも京都で作られる「京雛」は、雛人形の中でも高級ブランドとして認知されています。

京都の「京雛」と関東方面で作られる「関東雛」では、お顔や衣装などの特徴に違いがあります。
さらに、実は関東と関西では、男雛と女雛の座り方が逆になっているってご存じでしたか?

この記事では、京雛と関東雛それぞれの特徴をご紹介するほか、座り方が逆になっている理由についても解説していきます。

京雛とは?

京雛とは、読んで字のごとく「京都で作られている雛人形」のことを指します。反対に、「関東で作られている雛人形」は関東雛と呼ばれています。

天皇の御所があった京都には、昔から職人が多く集まっていました。職人たちが腕を競い合い、技術を高めあった結果、京雛は高品質で高級なブランドとして位置を確立し、現在も伝統工芸品として受け継がれています。

京雛と関東雛のそれぞれの特徴

京雛と関東雛、それぞれの特徴を以下の表で比較してみましょう。

  京雛 関東雛
見た目の
違い
向かって右に男雛が座っている 向かって左に男雛が座っている
いわゆる「京顔」と言われる、おっとりとした上品な顔立ちをしている 目が大き目で、現代的な顔立ちをしている
鼻筋が通っていて、目が切れ長で細いものが多い 目元や口元がほんのりとほほ笑んでいるものが多い
衣装の
違い
どちらかと言うと、伝統的な十二単をベースとしたクラシカルな衣装が多い クラシカルなものに加えて、現代風にアレンジされたモダンな衣装など、様々なタイプのものが制作されている

一般的に「雛人形」と聞いて思い浮かべるのは、京雛のようなお顔の雛人形かもしれませんね。

京雛・関東雛どちらも、クラシカルなものから現代風のものまで、様々なタイプのものが制作されています。しかしながら、伝統手法を特に重んじる京都では、伝統を継承したクラシカルな衣装を用いて雛人形を作ることが多い印象です。大人びた上品な雰囲気がお好きな方にはぴったりの雛人形ですね。

関東雛は現代風に様々なアレンジが施されているものが多く、インテリアやご家庭の雰囲気に合わせて選びたい、という方に向いていると言えるでしょう。

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何故、京雛と関東雛で座り方が逆なのか

京雛と関東雛で座り方が逆になっている理由については諸説ありますが、日本古来の風習と、明治時代の西洋化が深く関わっている説が有力です。

日本古来の風習では、日が昇る方向が上位とされていました。
このため天皇と皇后も、京都御所を北に見て、天皇が東側(向かって右)、皇后が西側(向かって左)にお座りになっていました。雛人形も、昔はこの座り方を模した配置になっていたようです。

西洋では反対に、キリスト教の聖書に由来して右上位の考え方が定着していました。
明治時代に日本の西洋化が進み、大正天皇が即位の礼で西洋式(天皇が向かって左、皇后が向かって右)に立たれたことから、徐々に右上位の考え方が広まったとされています。

西洋化が進んだ結果、関東では男雛を向かって左に飾る飾り方が一般化していきました。一方、京雛は京都御所の伝統に習い、今も男雛を向かって右、女雛を向かって左に配置しているのです。京都をはじめ関西では京都同様の並べ方をするところが多いですが、地域によっては関東式に男雛を向かって左、女雛を向かって右に並べるところもあります。

このように、歴史上の変遷から並べ方の違いが生まれているため、どちらが正しいということはありません。ご自分で雛人形を飾る際には、上記のような背景をふまえ、付属の説明書を参考にしたり、お住まいの地域の風習にならったりしながら、お好きな並べ方で飾ってみてくださいね。

ふらここは京雛?関東雛?

https://www.furacoco.co.jp/hina/product/SO-01140901

東京の日本橋に本社を構えるふらここの雛人形は、関東雛です。

ふらここでは、職人が持つ伝統的な技術を生かしつつも、現代のニーズに合わせることを大切に考えながら雛人形制作に取り組んでいます。

ふらここのアトリエでは、お母さまと同世代の若いスタッフたちが、創造力とセンスを活かしてお客様の気持ちに寄り添い、心から欲しいと思えるお人形を企画しています。 そのアイディアを形にするのは、確かな伝統技法の腕を持つ職人たち。リアルタイムの感性と長年受け継がれてきた技術を組み合わせて、雛人形づくりを行っています。

例えば、お顔は見た人が思わず「可愛い!」と言ってしまうような赤ちゃん顔。
飾り台や雛道具の色やデザイン、サイズは、現代のインテリアになじむようにコーディネートしています。インテリアは毎年流行が変わるので、それに合わせて毎年新作を販売したり、リニューアルを施したりして、常にアップデートをしています。

ひな祭りという「お子さまへの愛を形にする文化」を現代の生活でも守り続けていけるよう、工夫を重ねています。

ふらここの雛人形は可愛い赤ちゃん顔! お顔の種類を見てみる>

ふらここの雛人形 こだわりポイントをチェック!>

歴史や文化を知って、素敵な雛人形選びを!

歴史的な背景や地域ごとの文化の違いを知ると、雛人形選びがさらに楽しくなりますね。伝統継承に重きを置いた京雛も、現代風のアレンジが施されている関東雛も、どちらもお子さまを大切に思う気持ちが詰まった素敵な雛人形であることは間違いありません。

また、最近ではガラス製、木製、人気キャラクターとコラボレーションしたものなど、様々なタイプの雛人形が販売されています。「より特別感を出したい」「子供が触って遊べるものにしたい」「大好きなキャラクターの雛人形を手に入れたい」など、自分の希望に合った雛人形を探してみるのも楽しい選び方ですね。

ご家庭の雰囲気やご家族の皆様のご希望に合った、お気に入りの雛人形がみつかりますように。


この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋