投稿日:2021年9月30日 更新日:2023年9月28日

雛人形 ひな祭り

雛人形の「衣装」に注目!生地の種類やデザイン、ふらここの華やかな雛飾りをご紹介

雛人形を選ぶ際は、お人形の「衣装」にも注目してみてはいかがでしょうか。生地に用いられる素材や織りの技法、デザインにはさまざまな種類があり、衣装のテイストによって雛飾り全体の雰囲気が大きく変わります。

ここでは雛人形の衣装に焦点を当て、商品を選ぶ際に役立つ基礎知識をまとめました。さらにはふらここでお取り扱いしている代表的な模様について解説しながら、華やかな衣装が印象的なふらここの雛飾り4選もご紹介いたします。

 

雛人形の衣装はどのようなスタイル?

まずは、雛人形の衣装に多く見られるスタイルについて押さえておきましょう。

雛人形の衣装は平安時代における宮中衣装をベースにデザインされており、男雛は「束帯(そくたい)」、女雛は「十二単(じゅうにひとえ)」を模したタイプが一般的です。どちらも天皇陛下やお公家様における正装で、大切な儀式の日に身につけていたとされています。

なお、男雛の「束帯」は上部が単(ひとえ)・袙(あこめ)・下襲(したがさね)・半臂(はんぴ)・袍(ほう)で構成されており、腰の位置に革製のベルトである石帯(せきたい)を当てるスタイルが基本です。また、下部は大口袴・表袴の2種類の袴を着用します。

一方で女雛の「十二単」の場合は、上部は単(ひとえ)・袿(うちき)・打衣(うちぎぬ)・表着(うわぎ)・唐衣(からぎぬ)、下部は打袴(うちはかま)等で 構成されており、裳(も)を腰に当てて結び、 後ろに垂れて引くスタイルです。「十二単」の名前のように12枚の着物を重ねて着用しているわけではありませんが、魅力的な響きがあることから俗称として定着していったと言われています。

 

雛人形の衣装は「木目込み(きめこみ)」と「衣装着(いしょうぎ)」の2種類

雛人形の衣装は、大きく分けると「木目込み」と「衣装着」の2タイプの技法によって仕立てられます。それぞれの主な特徴は以下の通りです。

・木目込み人形の特徴
胴体に筋目を入れ、その筋目に布地を入れ込む技法でつくられた雛人形のこと。ころんとした丸いフォルムで可愛らしい雰囲気のものが多く、小ぶりなサイズのため場所を取らずに設置・収納できる点が大きな魅力です。

・衣装着人形の特徴
衣装を胴体に着せ付ける形でつくられた雛人形のこと。布地を幾重にも重ねて仕立てることから豪華な印象で、お人形のお顔立ちは衣装の雰囲気に合わせて端正な大人顔であるケースが多く見られます。

木目込み人形と衣装着人形は雰囲気やサイズ感に違いがあるため、お好みに合わせてセレクトされるとよいでしょう。もしもころんとした可愛らしい印象 の雛人形をお探しなら木目込み人形、気品あふれる豪華なタイプを好まれる場合は衣装着人形がおすすめです。

木目込み雛人形について詳しくはこちら>

 

雛人形の衣装に用いられる「素材」と「生地の種類」

雛人形の衣装に用いられる素材は、上質な絹からポリエステルのような化学繊維までさまざまです。使われている素材によって、見た目の雰囲気や手触り、機能性に違いが見られます。

たとえば絹で織られた衣装はきめ細かで高級感があり、放湿性が高いためカビが発生しにくい、ホコリが付きにくい点が魅力です。

また、素材だけでなく生地の種類にも注目してみると、生地の仕立て方によって印象が異なる点をお楽しみいただけるかもしれません。ここでは雛人形で用いられることの多い4タイプの生地をご紹介するので、ぜひ商品選びの際にチェックしてみてはいかがでしょうか。

・金襴(きんらん)
金糸を用いて紋様を織り出している生地。つるりとしたなめらかな質感が特徴で、ほのかに光沢もあります。

・ちりめん
ひねった糸を使用して織られた生地で、波状の凹凸によって独特の温かみを味わえます。

・絞り染め
布をつまみ、糸でくくってから染色する技法によって織られた生地。立体的な凹凸が特徴的で、素朴な風合いを醸し出します。

・刺繍
布面にひと針ひと針丁寧に模様を縫い込んだ生地で、刺繍ならではの上品な華やかさが魅力です。

 

雛人形の衣装では「模様」や「色味」、「襲色目(かさねいろめ)」にも注目

衣装に描かれた模様も、雛人形の印象を左右するひとつのポイントです。衣装によって多彩な模様が取り入れられており、特に春らしいお花や縁起の良い絵柄などが多く見られます。

衣装のお色としては、昔は「男雛は黒色」「女雛は赤色」が主流でした。しかし、生活様式が代わりインテリアにマッチする雛人形への人気が高まるなかで、ブルーやピンク色といった幅広いお色味の衣装が増えてきています。

また、袖や襟などに表現される美しい配色も、雛人形の衣装における楽しみ方のひとつです。「襲色目(かさねいろめ)」と呼ばれる伝統的な色の組み合わせが存在しており、その季節に合った色目を取り入れることで四季を楽しむという日本人特有の色彩感覚や美的センスを感じられます。

ふらここの雛人形でも、襲色目を現代風にアレンジしてお衣装に取り入れています。襲色目の種類によって異なるグラデーションをお楽しみいただけるので、 お衣装をご覧になる際は、模様だけでなく襟や袖の配色にも注目してみてはいかがでしょうか。

・色変わり ・梅重(今様)
・色々(今様くずし ・松重(今様)
・紅梅の薄様(今様)  

 

見るたびにうっとり。華やかな衣装が特徴的なふらここの雛飾り4選

ふらここでは、コンパクトながらも本格的な雛人形を種類豊富にご用意しております。素材や色合い、生地の仕立てといったひとつひとつにこだわり、熟練職人による細部にまで妥協のないデザインをお楽しみいただけます。

ここでは、特に衣装の華やかさや美しさが魅力的な商品を「木目込み人形タイプ」と「衣装着人形タイプ」それぞれにピックアップいたしました。

〇木目込み人形タイプ

・めいめい 花に小鳥の丸紋

商品名:めいめい 花に小鳥の丸紋(ME-01120700)
サイズ:横幅42.5cm×奥行25cm×高さ27cm
価 格:81,500円(税込89,650円)

~商品の特徴~
新春のおめでたい柄として伝わる「花に小鳥の丸紋」を施した、上品なお衣装が目を引く雛人形です。襲色目には初春を象徴する「梅重(今様)」を採用し、明るいパステルカラーの配色が知性あふれるお顔立ちをより一層華やかに引き立てています。

https://www.furacoco.co.jp/hina/product/ME-01120700

・れいれい 京刺繍・桜色

商品名:れいれい 京刺繍・桜色(RE-01141800)
サイズ:横幅42.5cm×奥行25cm×高さ25cm
価 格:86,000円(税込94,600円)

~商品の特徴~
ふっくらほっぺのかわいいお顔に優しい色味のお衣装を合わせた、心ときめく雛人形です。職人がひとつひとつ丁寧にあしらった京刺繍の花柄によって、空間が華やかな雰囲気に包まれます。

https://www.furacoco.co.jp/hina/product/RE-01141800

〇衣装着人形タイプ

・しんしん 衣装着・すずらん

商品名:しんしん 衣装着・すずらん(SN-07350000)
サイズ:横幅45cm×奥行47cm×高さ29cm
価 格:230,000円(税込253,000円)

~商品の特徴~
色とりどりのお衣装にすずらんの模様を施すことで品よく仕上げた、華やかな十人飾の雛人形です。お人形だけでなく飾り台やお屏風も含めて落ち着いたトーンで表現されており、豪華でありながらもインテリアを選ばずに取り入れていただけます。

https://www.furacoco.co.jp/hina/product/SN-07350000

 

衣装にも注目しながら満足の雛人形選びを

お子さまの健やかな成長を願って用意する雛人形は、「毎年飾りたい」と思えるものを選ぶことが大切です。ぜひお人形の衣装にも注目して、ご家族みんなの宝物になるようなお気に入りのタイプを見つけてみてはいかがでしょうか。

ふらここでは、素敵な衣装が魅力的な雛人形をバリエーション豊かに取り揃えております。ぜひ以下の商品ラインナップを参考に、一生に一度の大切な贈り物をじっくりと吟味してお選びください。

ふらここの雛人形一覧はこちら>


この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋