投稿日:2021年8月27日 更新日:2024年4月23日

雛人形 五月人形 ひな祭り 端午の節句

「初節句」とは?男の子・女の子それぞれの祝い方とお祝いのマナーを知っておこう!

赤ちゃんが生まれてから1歳になるまでの間には、「お七夜」や「お食い初め」などさまざまなお祝い行事を行います。なかでも「初節句」は盛大にお祝いする特別なイベントとして知られていますが、特に初めて赤ちゃんをお迎えしたご家庭では「どのようにお祝いしたらいいの?」と迷うこともあるでしょう。

そこで、今回は初節句の意味や由来などを解説しながら、お祝いやお返しの基本マナーについてご紹介します。男の子と女の子それぞれの初節句に関してしっかりと理解して、赤ちゃんにとって一生に一度の特別なイベントを愛情たっぷりにお祝いしましょう。

\ 赤ちゃんが生まれたら必見! /

そもそも「初節句」とは?

初節句とは、赤ちゃんが生まれて初めて迎える節句のことです。
女の子なら3月3日の「桃の節句」、男の子なら5月5日の「端午の節句」に、赤ちゃんの健やかな成長を願ってお祝いします。

そもそも節句とは、季節の変わり目に邪気を払う行事のこと。
日本では古来より「季節の変わり目には邪気が入りやすい」と考えられており、いつしか季節の節目にお供え物をして無病息災を祈願する習慣が根付いていきました。

季節の節目としては、
・1月7日の「七草の節句」
・3月3日の「桃の節句」
・5月5日の「端午の節句」
・7月7日の「星祭(七夕)」
・9月9日の「菊の節句」
の5つが「五節句」として存在しています。
赤ちゃんの初節句としてお祝いするのは「桃の節句」と「端午の節句」です。
赤ちゃんが女の子なら3月3日の雛祭り、男の子なら5月5日のこどもの日を初めて迎えるタイミングで初節句をお祝いするケースが一般的です。

〇「節句」について詳しくはこちら>

つまり、初節句にはお食い初めやお宮参りのように「生後〇日後に行う」といった決まりはありません。
生後まもない時期に迎える赤ちゃんもいればもうすぐ1歳となる頃に迎える赤ちゃんもいるなど、ひとりひとりタイミングが異なる点が大きな特徴です。

基本的には3月3日、あるいは5月5日を初めて迎えるタイミングでお祝いするものですが、生まれてまもない時期に迎える場合は初節句を翌年に持ち越すケースも見られます。
ただし、細かな風習やルールは地域によって異なる場合もあるため、赤ちゃんの祖父母も含めて相談しながら初節句のタイミングを決めるとよいでしょう。

「桃の節句」と「端午の節句」の由来や特徴について

「桃の節句」も「端午の節句」も、赤ちゃんの健やかな成長を願ってお祝いする意味においては共通しています。
ではなぜ女の子と男の子で節句の種類や内容が異なるのか、それぞれの節句における由来をチェックしておきましょう。

「桃の節句」の由来や特徴

日本では、古くから「人の形をしたものに願いや祈りを込める」という風習があります。奈良時代以降には藁(わら)・紙を使った「人形(ひとかた)」に自分の厄や災いを託して川に流す「身代わり信仰」が広く行われるようになりました。
それが平安時代に貴族の子女の間で流行した「ひいな遊び(紙でできたお人形を用いて遊ぶおままごとのようなもの)」と結び付き、いつしか桃の節句は雛人形を飾って女の子の成長を願う日として定着していったと言われています。

なお、雛人形にはお子さまの災厄を引き受ける「身代わり」としての役割だけでなく、雛飾りが天皇の結婚式を模したものであることから「天皇皇后のように幸せな結婚ができますように」といった願いも込められています。

〇雛祭りの歴史について詳しくはこちら>

「端午の節句」の由来や特徴

「端午の節句」は中国の故事が起源とされており、かつては菖蒲(しょうぶ / アヤメ科の多年草)を用いて無病息災を願う行事でした。
それが次第に男の子の成長を願うお祝いとして定着したのは、菖蒲の花が武士の武器である剣の形に似ていること、さらには武道や武勇を重んじるという意味の「尚武(しょうぶ)」と同じ読みであることが大きく関係しています。

ちなみに、端午の節句に飾る五月人形には兜飾や鎧飾、大将飾などさまざまな種類があり、どの種類においても「災いから身を守る」という意味合いが込められています。
また、鯉が「立身出世」の象徴であることにあやかって鯉のぼりを飾り、お子さまの活躍への願いを込めるご家庭も多い印象です。

〇こどもの日の歴史について詳しくはこちら

初節句の祝い方:節句人形を飾って行事食を楽しもう

初節句のお祝いの仕方は様々です。
「こうしなければいけない」という決まりはないので、自由に楽しみましょう。
一般的には「節句人形を飾る」「行事食を食べる」「歌を歌う」など、節句らしいものを取り入れることが多いようです。

初節句だけでなく、毎年の桃の節句・端午の節句も同じようにお祝いをして楽しめます。

お子さまの年齢に合わせて、食事の内容を変えたり、節句人形の飾りつけを一緒にしたりすると、お子様の成長を感じられる素敵なひとときとなるでしょう。

お祝いの仕方男の子の場合女の子の場合
見て楽しむ五月人形・鯉のぼりを飾る  雛人形を飾る
行事食を楽しむ柏餅、ちまき甘酒、雛あられ
歌って楽しむ鯉のぼりのうた雛祭りのうた
集まって楽しむ     親族・友人と食事会をする
初節句のお祝いの仕方は様々!

初節句は特に、食事会を催すことも多いです。
主に祖父母など親族のほか、親しい友人を招くこともあるようです。
お祝いをいただいた場合は食事会を「お返し」の場として設けるケースもあります。

▽よりお節句を楽しむためのヒントが満載!▽
こどもの日は何をする?伝統的な過ごし方や近年の傾向を解説
雛祭りの楽しみ方をおさらい!成り立ちやおすすめの食べ物をご紹介
ひな祭りの準備を万全に!当日までにやっておきたい4つのこと

初節句におけるお祝い・お返しの基本マナー

「桃の節句」も「端午の節句」も毎年行う通年行事ですが、初節句は赤ちゃんにとって一生に一度の特別なお祝いです。
お祝いの気持ちを示して、誕生を温かく祝福してあげたいですよね。

ここでは初節句を迎える赤ちゃん家族の親族・友人はどのようにお祝いし、さらにはいただいたお祝いに対してどのようにお返しするものなのか、基本的なマナーについて知識を深めておきましょう。

・初節句でお祝いを贈る際のマナー

初節句には、「①雛人形や五月人形をプレゼントする」「②お祝い金を渡す」のどちらかの方法でお祝いするケースが一般的です。
それぞれの基本的なマナーについては以下をご確認ください。

お祝いの仕方① 雛人形や五月人形をプレゼントする

初節句を迎える際に赤ちゃんに贈る雛人形や五月人形は、赤ちゃんの祖父母からのお祝いとしてプレゼントされる傾向が見られます。ただし、「誰が費用を負担するのか」「誰が選ぶのか」といった考え方はご家庭や地域によって異なるため、状況に合わせてご用意されるとよいでしょう。

〇雛人形の購入に関する風習や近年の傾向についてはこちら>

〇五月人形の購入に関する風習や近年の傾向についてはこちら>

お祝いの仕方② お祝い金を渡す

お金を包んで渡す方法も、初節句において一般的なお祝いの仕方です。赤ちゃんの祖父母が雛人形や五月人形ではなくお祝い金を贈る場合は、30,000円~50,000円程度を包むケースが多く見られます。

また、祖父母以外の親族なら5,000円~10,000円程度が相場です。ただし、金額についてはそれほど神経質にこだわる必要はないため、上記の金額はあくまで目安として参考にされるとよいでしょう。

・お祝いをいただいた際のお返しのマナー

初節句でお祝いをいただいたら、赤ちゃんの家族は「①お祝いの席に招待する」「②お礼状と内祝いを送る」のどちらかの方法でお返しをしましょう。
それぞれの基本的なマナーは以下の通りです。

お返しの方法① お祝いの席に招待する

節句人形やお祝い金へのお礼の気持ちを込めて、初節句をお祝いする食事会を設けるケースが多く見られます。
ただし、予定が合わない場合、さらには招待したい方が食事会を好まない場合も想定されるため、無理に計画を立てるのではなく慎重にお誘いすることが大切です。

ちなみにお祝いのメニューには明確な決まりはないものの、余裕があれば行事食を取り入れるのがオススメです。
行事食は縁起の良い意味を持つ食材を使用していますので、お子様の健やかな成長を願うお節句にはぴったりのメニューです。

行事食や食事会、と聞くと仰々しいものを想像してしまいますが、皆が楽しめることが大切なので、簡単なものでも十分です。
お祝いの食事を手作りできれば素敵ですが、日々の育児に追われる中で、立派な食事の用意までしている余裕がない・・・という方も多いことでしょう。
そんなときは、デリバリーやスーパーのお総菜コーナーを活用して、無理なくお祝いを楽しみましょう。

【ひな祭り】桃の節句の代表的な行事食をチェック!
【子供の日】端午の節句の代表的な行事食をチェック!

お返しの方法② お礼状と内祝いを送る

品物でお返しする場合は、まずはお祝いをいただいてから3日以内にお礼状を送って感謝の気持ちを伝えるのが一般的です。
相手との関係性によっては、気軽にメール、電話、SNSなどの連絡ツールでお礼の気持ちを伝えても良いですね。

そして初節句を終えたあとで、無事に終えたご報告とお祝いへのお礼を兼ねて内祝いの品を贈るスタイルが基本です。

なお、初節句の内祝いに付けるのし紙は「水引が紅白の蝶結びのもの」を選びます。
表書きは「内祝い」とし、贈る品物の金額はもらった品物の額の半額から3分の1程度が目安です。

意味やマナーを押さえて、思い出深い初節句を

赤ちゃんの健やかな成長を祈願する初節句は、しっかりと準備をして迎えたいものです。雛人形や五月人形、さらにはお祝いの席をどうするのかなど、ご家庭で慎重に話し合いながら準備を進めていきましょう。

ふらここでは、初節句のお祝いを華やかに演出する節句人形を種類豊富に取り揃えております。素材やデザインにこだわったおしゃれな商品ばかりなので、「わが子にとっておきの節句人形を選びたい」とお探しの方はぜひチェックしてみてください。

ふらここの雛人形一覧はこちら>
ふらここの五月人形一覧はこちら>

\ 「初節句に人形って必要?」と悩んでいる人へ /


この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋