投稿日:2024年3月29日 更新日:2024年3月29日

五月人形 伝統行事 端午の節句

男の子の初節句はどうやって祝う? 初めての端午の節句を解説

「もうすぐ子どもが生まれて初めての端午の節句だけど、何をしたらいいのか分からない」
「そもそも、端午の節句ってお祝いしないといけないの?」

お子さまが生まれて試行錯誤の日々の中、お子さまの誕生にまつわるお祝い事のルールやしきたりに悩まされていないでしょうか。
お祝い自体はとても喜ばしいイベントですが、あまりなじみのない文化もあり、お祝いの仕方について戸惑ってしまうことも多いですよね。

初節句の場合、食事会を催すことがあります。食事会と言っても、仰々しいものではなく、家族みんなで楽しめれば十分です。
また、男の子の場合、お節句のお祝いとして、大将飾や兜・鎧飾を飾る、鯉のぼりを飾るなど、端午の節句ならではの祝い方があります。

この記事では、
・お節句の意味と成り立ち
・端午の節句・初節句の祝い方
について解説します。

この記事を読めば、お節句に向けて何を準備すればよいかがはっきりわかり、迷いなく、前向きにお節句の準備を進められます。

ぜひ最後までご覧ください。

節句や端午の節句って何?

節句とは、「季節の節目となる日」のことを言います。もともと奈良時代頃に中国から伝えられた「陰陽五行説」が由来とされており、古くから年中行事を行う節目として大切に扱われてきました。

現代でも、下記の「五節句」は家族でお祝いをしたり、特別な食事を用意したりと、大切に扱われていますね。

・1月7日・・・人日の節句(七草の節句)
・3月3日・・・上巳の節句(桃の節句)
・5月5日・・・端午の節句(菖蒲の節句・子どもの日)
・7月7日・・・七夕の節句(笹竹の節句・七夕)
・9月9日・・・重陽の節句(菊の節句)

上記の月日に注目してみると、五節句すべてに「奇数が重なる日」が選ばれていることがわかります。
これは陰陽五行説において「奇数=陽(発展)・偶数=陰(不安定)」ととらえるなかで、奇数同士を足して偶数になる日は「陽から転じて陰になりやすい」とされていたことから邪気を祓うための行事を行ったことが主な理由です。

五節句それぞれの意味について、詳しく見る>

端午の節句の起源【始まりは中国】

春秋戦国時代の中国から伝わってきた「とある政治家を供養するためのお祭」が起源だと言われています。

その政治家は「屈原(くつげん)」という国王の側近で、人望も厚かったのですが、陰謀により国から追放されてしまいます。
そんな屈原は国の行く末を嘆き、川に身を投げてしまったのです。
国民達は彼を供養するために5月5日を祭りの日とし、それが徐々に病気や災厄を避ける行事となりました。
これが日本にも伝わり「端午の節句」の起源となったといわれています。

端午の「端」は「初め」を意味し、元々は「端午の節句」は月初めの「午(うま)の日」を指していました。
午が五に通じることや、5が重なることから、特に5月5日が重要視され、「端午の節句」と呼ばれるようになっていったのです。
そんな端午の節句は、端午の日を象徴する「菖蒲(しょうぶ)」の花が、武士の大事な武器である「剣」の形に似ていることや、「尚武(武道を重んじる という意味の言葉)」と同じ読みであることから、だんだんと「男の子のお祝い」になっていきました。

今では、端午の節句は日本では「こどもの日」として国民の祝日として指定されています。
目的は「こどもの人格や幸福を重んじ、母に感謝すること」とされており、男の子に限らず全てのこどもの健やかな成長を願う日となっています。

端午の節句について、詳しくはこちらの記事をチェック>

端午の節句の祝い方

初節句のお祝いの仕方は様々ですが、以下に代表的に5つのお祝いの仕方をご紹介します。

全てやらないといけないわけではありませんので、できるもの・やってみたいものなどを中心に、パパ・ママのお気持ちに合わせてお祝いをするのが良いでしょう。

なお、祖父母世代とパパ・ママ世代で考え方が異なるケースも多いため、祖父母も含めてのお祝いをする場合には、事前によく相談することをオススメします。

大切なことは、各種のお祝いを通じて「お子さまの無病息災や健やかな成長を家族みんなで祈ること」。

祝福の気持ちを大切に、無理のない範囲でお祝いしましょう。

①食事会を開く

初節句の場合、食事会を催すこともあります。
主に祖父母など親族のほか、親しい友人を招くこともあるようです。

食事会というと仰々しいものを想像してしまいますが、皆が楽しめることが大切なので、簡単なものでも十分です。
お祝いの食事を手作りできれば素敵ですが、日々の育児に追われる中で、立派な食事の用意までしている余裕がない・・・という方も多いことでしょう。
そんなときは、デリバリーやスーパーのお総菜コーナーを活用して、無理なくお祝いを楽しみましょう。

食事会を催す場合、招待された側はお祝いを渡すケースが多いようです。
渡すものは様々で、お祝い金を渡したり、プレゼントを渡したりします。
特に祖父母の場合は、雛人形や五月人形を初節句のプレゼントとして贈ることも。
また、ご友人の場合には、お祝い金のほか、ベビー服やおもちゃなどを贈ることのほうが多いようです。

初節句のお祝いの相場や贈り物について詳しくチェック!>

②大将飾や兜・鎧飾を飾る

大将飾は雛人形と同様に、その子を災いから見守ってくれるお守りのような存在です。
また、鎧や兜は「敵の攻撃から身を守る」ものであることから、「災いから身を守る」という意味が込められています。

大将飾や兜・鎧飾を飾り、お子さまの成長をお祝いしましょう。
上述の通り、初節句は祖父母からプレゼントで贈られることもあり、その場合は祖父母を招いて家族で食事しながら、プレゼントをお披露目するというのも素敵なお祝いの仕方ですね。

大将飾や兜・鎧飾りは、初節句で飾った後も、お子さまのお守りとして毎年端午の節句に飾ります。

大将飾や兜飾は、昔から様々な武将や歴史上の人物をモチーフにしたものが数多く制作されています。
有名な人物にあやかり、「こんな風に育ってほしい」という願いが込められているのです。

また、ふらここでは”8つの願い”に着目して大将飾を制作しています。「明るい子に育ってほしい」「心の広い子になりますように」など、子どもの将来を想像しながら大将飾を選ぶのも楽しいひとときです。

ふらここの大将飾に込められた”8つの願い”>
よく兜飾のモチーフに使われる戦国武将のまとめ>

五月人形の設置場所や飾り方に迷ったら、こちらをチェック!>

③鯉のぼりを飾る

「黄河の急流をさかのぼり、龍門の滝をのぼりきった鯉が龍となった」という中国の故事をモチーフに、鯉のぼりを飾って我が子の出世を願う文化が江戸時代に生まれました。

鯉のぼりを飾る文化は現代でも主流ですが、従来よく見かけた大空を泳がせる大きなタイプよりも、ベランダに飾れるタイプの鯉のぼりや屋内に置けるタイプなど、コンパクトなものが選ばれるようになっています。

④菖蒲湯に入る

菖蒲の葉を浮かべたお風呂に入り、厄除けをします。
菖蒲の香りは邪気を払うとされており、元々軒下に吊るしたり刻んでお酒に入れて飲んだりといった形で邪気払いに使われていたところ、やがてお風呂に入れるという風習が生まれたのです。

菖蒲湯の由来について 詳しくはこちら>

⑤お祝いの料理を食べる

端午の節句と言えば、ちまきや柏餅を食べることが一般的ですね。
子供の無病息災・健やかな成長を願う縁起が良い食べ物として、ちまきや柏餅が伝統的に用いられていますが、最近では雛祭りのように華やかなちらし寿司を食べる家庭も多いようです。
手作りしたり、お店で買ったり、状況に合わせて楽しく選びましょう。

こどもの日の食べ物 レシピを詳しくご紹介!>

まとめ

お祝いの仕方を知ると、端午の節句で何をすればいいかが明確になり、前向きな気持ちで準備を進められますね。

お祝いの仕方は様々ですが、端午の節句や初節句は「お子さまの無病息災や健やかな成長を家族みんなで祈る行事」ですので、お祝いの気持ちが一番大切です。

無理のない範囲でお祝いし、楽しく思い出に残るお節句をお過ごしください。


この記事の監修者
代表取締役 原 英洋

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。

代表取締役 原 英洋