世界一大切な我が子に贈る雛人形。
気合を入れて選びたいけれど、普段購入しないものなので
「選び方も、どんな種類があるのかも分からない・・・」
とお困りの方が多いのではないでしょうか。
今回はこれからひな祭りの準備を始める方に向けて、
・雛人形のトレンドと選び方のポイント
・雛人形はいつ、誰が買うべきか?
・いつ飾って、いつ片付けるべき?
・当日のお祝いの仕方は?
といった、雛人形のよくある疑問に答える記事を厳選して集めました。
迷ったら、この記事を見れば全て解決!
雛人形選びに悩む全ての方に贈る、ふらここコラムの総集編です。
【検討編】どんな雛人形があるの?どうやって選んだらいい?
お気に入りの雛人形を選ぶには、まずは流行を知るところから始めましょう。
伝統工芸の印象が強い雛人形にも、実はトレンドがあるんです。
「雛人形=日本人形、なんとなく怖い」と思っていた方は、雛人形のイメージがガラッと変わりますよ!
今どきの雛人形は『コンパクト』で『可愛い』がキーワード!
昭和中期~後期にかけては大きくて豪華なタイプが好まれる傾向がありましたが、近年ではシンプルでコンパクトなタイプが人気を集めています
昔ながらの雛人形においては切れ長のすまし顔タイプが一般的ですが、最近では比較的大きな目の可愛らしいタイプが好まれやすくなってきました。
トレンドを押さえたら、次は「どうやって選べばいいか?」を見ていきましょう。
これから長い間、お子さまの成長を一緒に見守ってくれる雛人形。
選ぶポイントをしっかり掴んで、心から満足のいくお人形に出会いたいですね。
雛人形を選ぶときにチェックしたい6つのポイント
雛人形を選ぶ際には、今回ご紹介したように「大きさ」「お顔」「衣装」「台屏風やケースのデザイン」「小道具」「価格」の6つのポイントに注目してみるとよいでしょう。
設置・収納場所の広さやお部屋の雰囲気を踏まえつつ、ご予算と照らし合わせながら慎重に吟味することが、満足の雛人形選びにつながります。
【購入編】雛人形って誰が買うの?相場はどれくらい?購入時期はいつ?
雛人形の目星がついたら、次は購入の具体的な算段をたてましょう。
「雛人形を買うのは誰?」は、ふらここの経験上、最もよくある質問です。
ママの両親、パパの両親、パパママが自分で、などの選択肢がありますが・・・
誰が買う?特に決まりはないが多数派は母方の実家
現代においては、雛人形を「誰が買う」という具体的な決まりはありません。
ただ、昔の風習では「母方の両親が購入する」のが主流であり、その流れが現代でも引き継がれているようです。株式会社ベビーカレンダーが行った「雛人形は誰が購入したか?」の調査結果によると、ママの両親(母方の祖父母)が購入した家庭は全体の67.4%でした。
10家庭中、約7家庭はママの両親が購入している計算です。
ここでは、母方の祖父母や父方の祖父母が購入する場合によくあるトラブルをご紹介します。
代表的なものに次の2つがあります。
①好みと違う・サイズが合わないものを購入されてしまった
②両家から届いたり、どちらの家が買うかで揉めてしまった
雛人形を「誰が買うのか」に関しては、ご両家で事前によく話し合ってよく話し合い、ご両家のバランスも意識されるとトラブル回避につながります。
たとえば「雛人形は母方の実家で五月人形は父方の実家」、あるいは「雛人形は父方の実家で、初節句のお祝い膳は母方の実家」などのように、持ちつ持たれつのバランスで初節句の準備をされることがポイントです。
購入にあたって知っておきたいのが、相場感です。
普段目にすることの少ない雛人形は、相場の感覚もつかみにくいですよね。
雛人形の相場を知っておくと、家族とも購入の相談がしやすくなりますよ。
雛人形の相場は人形の種類や人数によって大きく変わる
雛人形の相場を知るうえでまず把握しておきたい点が、お人形の種類によって価格帯に違いがあることです。
雛人形には「木目込み人形」と「衣装着人形」の2種類があります。
この2種類のうち、価格がより高めの傾向があるのが「衣装着人形」です。
「木目込み人形」に比べて使用する布の量が多い分、価格も高めになることが多いのです。
また、布の種類によっても金額が左右されやすく、たとえば西陣織のような高級な布地を使用したものや、豪華な刺繍が施されたものなどは、価格帯がやや上がる傾向があります。
・人形の人数が多いほうが値段は高くなりやすい
・衣装着人形のほうが使う布地が多い分、木目込み人形よりも価格が高くなりやすい
・大きいサイズのほうが価格も高くなる傾向にあるが、小さい雛人形のほうが作業が細かく、高い技術が必要なことも
雛人形の中には、上記でご紹介した相場を大きく超えた「高級な雛人形」もあります。
ここでは、
「高級な雛人形がどんなところにこだわっているのか?」
「品質の良い雛人形の見分け方」
をチェックしましょう。
高級な雛人形を知り、品質の良い雛人形を見分けよう
【注目ポイントその1】頭・お顔
雛人形の「頭」や「お顔」は、職人の技術が大きく表れやすい部分です。
【注目ポイントその2】衣装
衣装が高級かどうかは、使用されている生地や仕上がりに注目すると判断しやすくなるでしょう。
高級織物の老舗や名門の生地を使用した衣装からは華やかさや品の良さを感じられるほか、生地に蒔絵や刺繍がほどこされている衣装であれば織物職人の技術力の高さがうかがえます。
購入のタイミングも、抑えておきたい重要ポイントです。
雛人形は大量生産品ではないため、人気の商品は早期に完売してしまいやすいもの。
購入のベストタイミングを知っておくと、「せっかく選んだ雛人形が完売で買えなかった・・・」という残念な事態を防げます。
購入時期は11月~12月がオススメ!
雛人形の購入時期としては、11月~12月頃がおすすめです。
雛人形メーカーでは9月~11月頃に翌年の新商品を発表する傾向があり、品揃えが最も充実する11月~12月頃であれば幅広い選択肢から好みのタイプを選べます。
3月3日ギリギリでも購入自体は可能ですが、一般的に1月~2月頃に購入者がぐんと増えて品薄になっていきます。
人気商品だと、1月になってからでは間に合わなかったという方もいらっしゃるため、 お気に入りの1点を手に入れたい場合は年内に購入するとよいでしょう。”
【よくあるお悩み編】雛人形、いらなくない?お下がりじゃだめ?
雛人形にあまりなじみがなかったり、ママのものや赤ちゃんのお姉ちゃんのものがあったりすると、
「雛人形って本当に必要?」
「お下がりじゃだめかな?」
と思われる方もいらっしゃると思います。
『雛人形を飾る意味』を考えると、一人一つ用意することがオススメです。
詳しく見ていきましょう!
『我が子のお守り』として一緒に成長を見守る存在
雛人形はお子様の健やかな成長を一緒に見守ってくれる、「お守り」のような存在です。
収納や飾りつけのスペースの問題と、
費用の問題で購入を悩まれる方が多いようですが、
最近ではコンパクトで取り入れやすい予算感のものも多く販売されています。
雛人形は、女の子の健やかな成長への願いが込められた縁起物です。
また、お子さまに降りかかる厄や災いを引き受けてくれる「身代わり」の意味合いもあります。
特に懸念されることが多い点が、スペースと費用です。
昔ながらの雛人形は大きなサイズで高額なものが多かったことから、「気軽に取り入れられない」といったイメージにつながっているのではないかと考えられます。
しかし、近年においては場所を取らないコンパクトサイズや、少ない予算でも購入できるリーズナブルな商品が増えてきました。
また、飾る・しまうといった作業がしやすいように工夫されたタイプや、洋風のお部屋にも似合うかわいい雰囲気のものも多く、インテリア感覚で気軽に雛人形を楽しむ時代へと変化しつつあります。
雛人形=厄を引き受けてくれる と考えると、一人一つが◎
雛人形は、「厄災を人間の代わりに引き受ける」身代わり信仰から始まったと言われています。
成り立ちを考えると、「その子の厄を引き受けてくれる存在」として、専用の雛人形を用意してあげたいところですね。
雛人形をお下がりにするのは、基本的におすすめしません。
その理由は雛人形の成り立ちにあります。
雛人形はもともと、人間に降りかかる厄災を代わりとして人形に引き受けてもらう「身代わり信仰」から始まったと言われています。
お下がりの雛人形は「前のお子さんの厄災を引き受けている」という意味合いにつながります。
そのため、代をまたいで雛人形を使うのはあまり望ましくないのです。
家族や姉妹が使った雛人形は供養するなどしてしっかりとお別れし、お子さんにはその子専用の雛人形を用意してあげるのがよいでしょう。
【飾り付け編】雛人形って、いつ・どこに飾ればいいの?
悩みぬいて選んだ雛人形がついに我が家に!
雛人形を飾ると、お部屋の雰囲気が一気に華やかに♪
ここでは、飾りつけの時期や飾り方について見ていきましょう。
飾るのは2月4日以降、しまうのは3月3日以降の天気の良い日
雛人形は一般的に、「立春(2月4日頃)から桃の節句(3月3日)の1週間前くらいまで」に飾り終えておくのがよいと言われています。
雛人形をしまう時期は、「桃の節句(3月3日)が終わった後のなるべく早い時期」が望ましいと言われています。
「雛人形をしまうのが遅くなると、その子の婚期が遅れる」という言い伝えもありますが、これは迷信であり具体的な根拠はないので、あまり気にする必要はありません。
ただし、雛人形は湿気に弱いため、お天気が良く湿気が少ない日にしまうようにしましょう。
飾る時期が分かったら、次は飾る場所を決めましょう。
雛人形はおうちの中のどこに飾ると良いのでしょうか?
飾るのはリビングや居間などみんなが集まる場所が◎
雛人形を飾る前に決めておきたいのが「飾る場所」。
ただし飾る場所には特に決まったしきたりはありません。
せっかく飾るお雛様なので、リビングや居間などの目立つ場所に飾るのがおすすめです。
段ごとに意味も解説!七段飾りの飾り方
それでは、段飾りの中でも一番大きな七段飾りについて、実際の飾り方をご紹介します。”
【お祝い編】当日を思い切り楽しもう!
綺麗に飾った雛人形と一緒に、ひな祭り当日を楽しみましょう♪
当日を楽しく過ごすためのヒントをお届けします。
ひな祭りの楽しみ方 雛人形を飾る・食事・歌が主流!
雛祭りの代表的な楽しみ方としては、「雛人形を飾ること」が挙げられます。
雛人形にはお子さまへの願いを込められるだけでなく「毎年のお祝いを華やかに演出できる」といったメリットもあるので、初節句を迎える際にはぜひお子さまにぴったりな雛人形を用意しましょう。
雛祭りには、縁起が良いとされるお食事を用意してお祝いするケースが一般的です。
具体的に何を食べるのかは地域の風習やご家庭でのお好みによってさまざまですが、代表的な食べ物としてはちらし寿司やはまぐりのお吸い物、菱餅、桜餅などが挙げられます。
ひな祭りの楽しみの一つに、「美味しい食事」がありますよね。
色とりどりの食べ物が並んだ華やかな食卓は、見ているだけでワクワクします。
桃の節句の行事食にはどんなものがあるか、チェックしてみましょう!
ひな祭りの食べ物をレシピ付きで詳しく紹介
それでは早速、雛祭りの代表的な食べ物をチェックしていきましょう。
今回は次の7つの食べ物をご紹介します。
1.白酒・甘酒
2.菱餅
3.ひなあられ
4.桜餅
5.ちらし寿司
6.手まり寿司
7.はまぐりのお吸い物
以下でご紹介する由来や意味合い、作り方を参考に、ぜひご家庭オリジナルの雛祭りメニューを考えてみてください。
【お片付け編】いつしまう?お手入れの仕方は?収納に適した場所はどこ?
ひな祭りが終わると、また来年までお別れです。
毎年大事に飾るために、しっかりお手入れして片付けたいですね。
3月3日を過ぎたらお片付け!お手入れと片付けのポイント
桃の節句(3月3日)が終了したら、雛人形はなるべく早くしまう方が良いと言われています。
その理由はさまざまで、ひとつには「お雛様をしまうのが遅れると、その子の婚期も遅れる」という言い伝えがあります。
しかし、これは根拠のない迷信なのであまり気にしすぎる必要はないでしょう。
雛人形を次に使うのは、約1年後。その間にお人形にカビが生えてしまわないよう、しまう日は天気が良くて乾燥した日を選びましょう。
雛人形には湿気が大敵。
来年も可愛いお人形に会うためには、どこにしまうのが良いのでしょうか?
また来年会おうね😊収納は湿気が少なく風通しの良い場所に
雛人形をしまう際、一番気を付けなければいけないポイントは「カビが生えない場所かどうか」です。
雛人形は絹や織物、石膏(せっこう)や胡粉(ごふん)などの顔料からできており、カビが生えやすいからです。
また、日本の気候は高温多湿になりやすく、次の桃の節句まで収納している期間が長いことも、カビに気を付けるべき理由です。
雛人形にカビを生やさないために、湿気が少なく風通しの良い場所に収納スペースを確保しましょう。
湿気は低いところにたまるため、具体的には押し入れの上段などがおすすめです。
(おまけ)【歴史編】ひな祭りについてもっと詳しく知りたい人向け
ここからは、ひな祭り自体に関心がある方に向けて、歴史や成り立ちをご紹介していきます。
ひな祭りの起源は平安時代!『源氏物語」や『枕草子』にも登場
藁(わら)や紙を使った「人形(ひとかた)」に自分の厄や災いを託して川などに流すといった奈良時代以降の「身代わり信仰」と、中国において災厄をはらう行事であった「上巳(じょうし)の節句」が合わさり、現代における「ひな祭り」起源となったようです。
特に平安時代においては「ひいな遊び」と呼ばれる遊びが貴族の間で流行したことが、今のひな祭りに大きな影響を与えていると言われています。
「ひいな遊び」は、紙でできたお人形を、同じく紙でできたお屋敷の中で遊ばせるという、現代の「おまままごと」のような遊びです。
「ひいな遊び」は当時、貴族の少女たちの間で流行しており、『源氏物語』や『枕草子』のワンシーンでも「ひいな遊び」にあたる描写があったほどです。
1300年を超える歴史を持つひな祭り文化。
明治時代まで雛人形は高級品とされていましたが、職人の技術の結晶と考えると、当然のことかもしれませんね。
庶民の手に渡るようになったのは、大正時代から
明治時代以降の雛人形はあまり広く普及しておらず、裕福な家庭のステータスの一種として扱われていました。
一般市民の手に渡るようになったのは大正後期以降で、雛人形は「子を思う気持ち」の表れとして、少しずつ一般化していったのです。
これだけ歴史の長い伝統文化だと、しきたりが厳しそうなイメージもあります。
実はそんなことはなく、「絶対に守らないといけない決まり」はありません。
「守ったほうが良い」とされる4つのルールを押さえたら、あとは「お祝いの気持ち」を大事にしましょう!
伝統文化はしきたりが多そうだけど・・・絶対のルールはない!「知っておくと良いルール」を4つご紹介
雛祭りには「絶対に守らなければいけない」というほど重要なしきたりはありませんが、「一般的にこうした方がよい」といった風習は存在します。
ここでは、知っておきたい4つのしきたりや疑問点をご紹介します。
1.「初節句」のお祝いは最初の3月3日でなくてもよい
2.雛人形を用意(購入)するのはお子さんの祖父母でなくてもよい
3.雛人形は早めに飾って早めにしまう
4.お祝いのお礼は内祝いや食事会で
雛人形を楽しく選んで、素敵な思い出を作ろう!
雛人形の検討からお祝いまで流れを把握することで、「雛人形を用意するためにやるべきこと」が明確になり、選びやすくなったのではないでしょうか?
雛人形は普段接することが少ないため、なんとなく遠い存在に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
大切なお子さまの幸せと成長の象徴として、ぜひ身近に・親しく感じていただければ幸いです。
ふらここでは、「ママがときめく雛人形」の制作に力を入れています。
可愛いお顔と、きゅんとくるデザインの衣装のお人形をたくさんご用意!
お洋服やアクセサリーを見る感覚で、楽しくお選びください♪
人気の雛人形ランキングなど、選ぶヒントとなる特集記事も随時作成しています。
「どれも可愛くて決められない!」と悩んだら、特集記事も参考にしてみてくださいね。
1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。
スタッフ全員に光をあてたチーム体制を大切にし、人形業界全体の再興を見据え、「お客様に望まれる商品が多く作られるようになれば、業界も元気が出てくる。その先駆けになるものづくりを進める」ことをモットーとし、日本の美しい文化を次世代に伝えていくことをミッションとする。